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サービス付き高齢者向け住宅で受けられるサービスは? 料金は? 暮らしの中身を大解剖

kurashino

「サービス付き高齢者向け住宅」とは、要介護高齢者が入居する割合が高い有料老人ホームとは異なる形態の住居です。通称「サ高住」と言われ、主に自立した生活を送れる方から軽度の介護を要する方まで、さまざまな高齢者が生活支援サービスを受けながら暮らします。

この記事では、サービス付き高齢者向け住宅で受けられるサービスや費用について解説します。

サービス付き高齢者向け住宅とは

「サービス付き高齢者向け住宅」とは、主に60歳以上の単身高齢者・夫婦世帯が居住できる賃貸等の住まいです。平成23年の「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の改正を機に、整備が進むようになりました。

入居者の属性

厚生労働省の資料によると、2020年時点での入居者のボリュームゾーンは「85歳以上」、介護度は「要介護1~2」の方が中心です。また、介護を必要としない「認定なし」「要支援1~2」も23.0%が入居していることになります。

厚生労働省資料「第5回サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会資料 情報提供 サービス付き高齢者向け住宅の現状等(2020/12/24)|P15 運営情報を提供した住宅の入居者情報」より転載(一部加工)

サービス付き高齢者向け住宅の大多数は、要介護度の軽い人を受け入れています。とはいえ、「要介護4・5」の入居者も3割近くいることから事業者ごとに受け入れ態勢をみていく必要があります。

居室の仕様

各居室は原則25平方メートル以上の広さがあり、キッチン、トイレ、収納、洗面設備、浴室が備えられています。床は段差のないバリアフリー構造であり、トイレや玄関には手すりを備え、移動時の安全性やからだへの負担に配慮された仕様になっています。

契約内容と料金体系

サービス付き高齢者向け住宅は賃貸住宅の形態となるため、一般の賃貸物件同様、専用部分が明示された書面での契約が必要です。

契約には「賃貸借方式」と「利用権方式」の2種類があります。いずれの場合も長期入院などを理由に事業者からの一方的な解約はできないことになっているため、居住者にとっては安心材料のひとつです。
事業者に支払う金銭は、敷金と家賃に加え、サービス付き高齢者向け住宅独自のサービスに対する対価のみで、権利金や更新料はかかりません。契約終了後、入居者の過失により部屋に汚損があった場合には、原状回復費用などを請求されることがあります。

サービス付き高齢者向け住宅のサービス内容

高齢者が快適な環境で安心して暮らしていくには、生活におけるさまざまな支援サービスが必要です。ここでは、サービス付き高齢者向け住宅が提供している主なサービスについて解説します。

1.食事サービス

サービス付き高齢者向け住宅には食事の提供は義務付けられていないものの、ほとんどの施設が提供しています。管理栄養士や調理師などのプロが開発したメニューなので、栄養バランスも問題ありません。
共用のレストランで他の入居者と一緒に食べるのも、自室でひとりゆっくり食べるのも、入居者の自由です。施設によっては1食から注文でき、なかにはちらし寿司など季節を楽しめるイベント食を用意するところも。もちろん、自室のキッチンで料理を楽しむことも可能です。

2.家事援助サービス

居室の清掃や衣類の洗濯など、家事援助サービスも提供されています。高齢になると介護を必要としない人でも、日常の家事がこなしにくくなるものです。要介護になって家事ができなくなっても、サポート受けながら清潔な状態で暮らせます。

3.健康管理サービス

健康で長生きするために必要な健康管理サービスも提供されています。健康相談をはじめ、服薬管理や医療機関との連携など、心身の健康を保つうえで万全の体制を敷いています。そのため、日中は医療や介護の有資格スタッフが常駐しています。夜間はスタッフ不在の施設もありますが、緊急時には、緊急通報システムによって対応できるようになっています。

4.生活支援サービス

要介護認定の低い入居者が日常生活を快適に過ごせるように生活支援サービスとして、買い物の代行、外出の支援、病院への送迎、レクリエーションの実施、日常の見守りなどが行われています。

5.介護サービス

重度の介護状態の方も受け入れる介護型のサービス付き高齢者向け住宅では、食事や排泄などの身体介護、認知症の見守り、機能訓練といった介護サービスはもちろん、終末期の看取りにも対応しています。

気になる入居費用は?

有料老人ホームほど高額な費用ではありませんが、サービス付き高齢者向け住宅への入居にもある程度の費用が必要です。かかる料金も施設ごとに異なりますが、一般的な賃貸住宅と同様に首都圏ほど高くなる傾向にあります。

具体的にどの品目に、どのくらいの料金がかかるのか気になる方は、インターネットで施設ごとに検索してみるとよいでしょう。現在は、多くの施設が料金をウェブサイトに掲載しているため、簡単に調べることができます。
ここでは、入居する際にかかる費用について解説します。

入居時費用

賃貸住宅のように入居時には敷金などの費用がかかります。とはいえ、50万円を超える施設は多くありません。なかには0円のところもあり、入居しやすいのがメリットです。

月額費用

家賃・共益費・水道光熱費などがあります。前払い方式のところもあり、入居時に一括して費用の全部あるいは一部を支払うこともできます。

サービス利用料

「生活支援サービス」「基本サービス」など、施設によって名称は異なりますが、具体的には家事援助、健康管理、生活支援、介護サービスなどが含まれています。定額料金として毎月かかるものもあれば、利用に応じてかかるものもあります。なお、介護サービスは介護保険を使用できます。

入居時に気を付けたいポイント

サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ際には、一般の賃貸住宅を借りるときと同様、慎重にサービス内容などを調べる必要があります。ここでは、サービス付き高齢者向け住宅に入居する際に気を付けたいポイントについて解説します。

1.職員の配置状況

職員がどのくらいの人数でサービスにあたっているのかを確認します。介護保険サービスを提供する有料老人ホームでは、要介護者3人にひとり以上の割合で介護職員や看護職員を配置しなければなりません。手薄になると満足なサービスが受けられなくなります。居住者人数に対し、どのような態勢を敷いているのか調べておきましょう。

2.職員が持っている資格

専門的な技能を持っている資格者がどのくらい配置されているのかも事前に確認しておきたいところです。たとえば、健康管理であれば「看護師」、入居者の介護を専門的な知識のもとで行うには「介護福祉士」、リハビリなど身体機能を維持・回復するためのサポート役には「理学療法士」などです。

3.夜間の勤務体制

夜間の勤務体制が万全であるかも重要なポイントのひとつです。夜中でも緊急時にはすぐに対応してくれる住宅でなければ安全に過ごせません。なお、夜勤体制とは職員が寝ずに勤務している状態、宿直体制は居住スペースで寝泊まりする職員がいる状態を指します。夜間は職員が常駐せず、入居者からの呼び出しで駆け付ける対応をしている施設もあります。

4.どこまで医療や介護に対応してくれるのか

要介護が進んだときに、どこまで医療や介護に対応してくれるのも確認しておく必要があります。介護状態が悪化した場合でも引き続き居住できる契約になっていなければ、最悪の場合、退去を求められる場合もあります。高齢になると、住居を移すことは簡単なことではありません。事前に契約内容をしっかり確認するようにしましょう。

まとめ

終の棲家は自宅であることを望む方は少なくありません。しかし、「子どもが遠方に住んでいる」「単身者である」「介護に関して家族の協力が得られない」など、さまざまな事情により、自宅以外の住まいで老後を送る方は年々増えています。
"第2の自宅"としてサービス付き高齢者向け住宅を選ぶ場合は、老後を安心・快適に過ごせるかどうかを見極めることが必要です。いろいろな住宅を比較検討して、幸せな老後を送りましょう。

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