暮らし・住まい 耐震・制震

減災のポイントは「家族防災会議」「防災大掃除」「家庭内避難生活訓練」の3つ

kurashino

突然、災害が起こった時、体が凍り付いたように動けないことがあります。これを「凍り付き症候群」といいます。緊急地震速報が鳴ってもとっさに適切に行動ができなければ、家屋の倒壊などに巻き込まれてしまいます。
大地震がきたその時、身を守る行動をとれるようになるため、「家族防災会議」「防災大掃除」「家庭内避難生活訓練」の3つが大切だと、防災システム研究所 所長の山村武彦さんは提唱します。
その詳細をポイント共にお伺いしました。

年2回の「家族防災会議」と「防災大掃除」をしましょう

「今、7割の確率で雨が降りますよ」と言われたら、みなさん傘を持って外出しますよね。でも地震に関しては、まだ先だと考えてしまう。
マグニチュード7クラスの首都直下地震は70%の確率で30年以内に発生するといわれていますが、これは"30年目"に起きる確率が70%ということではありません。"今現在"起きる確率が70%あるのです。

私たち人間は都合の悪い情報ほど、きっと大丈夫、まだ大丈夫...と、都合の良い方向に考えてしまいがちです。しかしリスクを過小評価せず、今起こってもおかしくない、明日起こるかもしれないとリスクを正しく認識することがまず大切です。
災害は明日起こるかもしれないからこそ、日ごろからの備えが大切なのです。

もちろん四六時中、防災の事を考えるということはできません。
しかし、できれば年に2回、少なくても年1回はもし、明日震度6強の地震が起きたらどうする?をテーマに「家族防災会議」を開きましょう。防災家族会議のタイミングは、メディアでも取り上げられる防災の日(9月1日)、防災とボランティアの日(1月17日)、東日本大震災発生日(3月1日)などがおすすめです。それ以外に、お父さんの誕生日などにしているお宅もあります。

「明日、震度6強の地震に襲われる」と想定し、以下のことを家族みんなでで真剣に話し合ってください。

緊急地震速報が鳴った時や地震の小さな揺れを感じた時の行動を確認する。

まずは安全ゾーンへ退避する。玄関を開けて避難経路を確保するなど、居る場所ごとに身の安全を図る行動を確認しておきましょう。

安否確認のための連絡手段を決める。

全員が自宅にいるとは限りません。また、緊急時は電話がつながらない状況も想定されます。災害伝言ダイヤル「171」、SNSの使い方、共通の連絡先(離れた親せき宅など)、避難場所、万一連絡が取れない時の落合い場所などを確認しましょう。

家具や電化製品の転倒・落下防止対策を行う。

固定器具が1つだと、揺れに耐えられない可能性があります。家具や電化製品は複数種類の固定器具で複数個所を止めるのが転倒・落下防止対策の鉄則です。

ガラス飛散防止フィルムを貼る

大地震での負傷者の約半数がガラスによるけがです。ガラスは割れて飛散すると凶器に変わります。割れても飛び散らないように、窓ガラスだけでなく、室内の戸棚やドレッサーのガラスにガラス飛散防止フィルムを貼っておきましょう。

家具の配置を確認する。

家具が倒れてしまった時に出入口をふさいでしまわないか、向きや配置に注意が必要です。

家の中の避難経路を確認する。

玄関や安全ゾーンまでの避難経路にガラス飛散や転倒・落下物となるものがないかを確認しておきましょう。
また退避するために、転倒・落下物が少なく、閉じ込められない場所となる"安全ゾーン"をつくりましょう。

備蓄品を確認する。

水・食料は最低でも3日間分と一般的にいわれていますが、大災害のときはインフラが復旧するのに1週間ほどかかります。水・食料は1週間分以上備えておくことをおすすめします。

 

このときに一緒に行いたいのが「防災大掃除」です。
防災大掃除とは、家の中の物を片付けることです。

表彰状が壁に掛かっていませんか?額縁のガラスはアクリル板にしてありますか?
冷蔵庫の上に重いものや使わない調理家電が乗っていませんか?
生活していると家の中にあるものはどんどん増えていきます。床や廊下、棚の上などに物が置かれていると、避難する際の妨げになってしまいます。

大事なものはきちんと収納し、不要な物は捨てる。そして、軽いものを上に、重いものを下に配置することも大切。
「命捨てるな!モノ捨てろ!」を合言葉に、日ごろから家の中を片付けることを習慣づけておくことが"安全習慣"につながります。
そして片付けながら、家具の固定を確認したり、窓ガラスにはガラス飛散防止フィルムを貼ったりするなど、室内の耐震対策をし、安全ゾーンを作り、避難経路を安全にしましょう。

「家庭内避難生活訓練」で避難生活をシミュレーション

そして次に大切なことは、「家庭内避難生活訓練」です。
1年に1回は電気・ガス・水道を使わない仮想の"避難生活"を自宅で体験してみることをおすすめします。実際にインフラが止まった中で生活をしてみると、本当に必要なものが何か、ということが分かります。

たとえば、「懐中電灯1本では暗くて過ごせないからランタンも必要だ」「換気扇が回せないと家の中が汚物の臭いで大変なことになるから凝固剤や消臭剤が必要だ」など、自分や家族を守るため、自分自身で災害時のインフラ断絶の疑似体験をして考えることが大切です。

非常食も実際に食べてみて、何が美味しいか不味いか、水は足りるのかなどが確認できます。また、非常食は定期的に食べ、食べた分を買い足すという"ローリングストック"※という方法で、賞味期限切れしないよう注意するのもポイントです。
※備蓄している食料品を定期的に食べ、食べた分を買い足すということを繰り返し、常に新しい非常食を備蓄する方法のこと。買い足したときに賞味期限をマジックなどで大きく書いておくのがコツです。

そして見落としがちなのが、「災害は決まった季節、決まった時間帯に起きるわけではない」ということです。

毎回、春の昼間に防災訓練をしていると、災害は春の昼間に起きると錯覚してしまいます。
しかし実際は冬に起きるかもしれないし、深夜に起きるかもしれません。
冬であれば、防寒という観点が必要ですし、夜であればマンションの非常階段までの経路が真っ暗かもしれません。
季節や時間帯も変えながら訓練するとよいでしょう。

こういった常日頃の備えや訓練が、わが身を、そして家族を守ることにつながります。
「家庭防災会議」、「防災大掃除」、「家庭内避難生活訓練」の3つをぜひ実施してください。

HOT

-暮らし・住まい, 耐震・制震