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長引く超低金利時代、いつまで続く? 老後を見据えた資産運用で「資産寿命」を延ばそう

kurashino

現在の日本は超低金利の状態が続き、銀行預金だけでは資産を増やすことが難しくなっています。一般的にリスクが少ないと考えられがちな銀行預金もそのまま預けていて本当に安心なのでしょうか。

この記事では、超低金利時代だからこそ起こりうるリスクと、安心して老後を迎えるためにいまからできる「はじめの一歩」をご紹介します。

超低金利時代で「資産寿命」をどう延ばす?

日本では1990年代前半に起きたバブル崩壊を皮切りに、普通預金、定期預金ともに超低金利が続いています。2007年10月には0.4%だった定期預金金利(預入金額1千万円以上/1年)は、2021年10月には0.003%まで低下しました。普通預金金利も、2007年10月に0.198%でしたが、2016年からは0.001%となっています。

日本の預金金利の推移 日本銀行主要時系列データをもとに筆者作成

バブル期の1985年、定期預金の金利は5.5%(税引後4.4%)でした。これは、100万円を預けたら1年間で4万4,000円もの金利収入が得られた、ということです。しかし、現在の金利は0.003%(税引後0.0025%)。同じ100万円を預けたところで金利収入はわずか25円です。
4万4,000円あれば家電製品の購入や、ちょっとした旅行ができますが、25円では駄菓子しか買えません。
一方で「人生100年時代」と言われるようになり、老後をイキイキと過ごすためには健康寿命だけでなく「資産寿命」を伸ばす重要性が高まっています。
全国の20代~70代の男女1,200名を対象とした日本FP協会のアンケートでは、資産寿命を延ばすために必要なこととして、40代、50代の5割近くが「現役で働く時間を延ばす」と回答。また、60代、70代を中心に「生活費の節約を心がける」という回答も目立っています。

日本FP協会「世代別比較 暮らしとお金に関する調査2018」の情報を基に作図

しかし、一体何歳まで働き続けられるでしょうか。また、どの程度生活を切り詰めれば、お金に苦労せず長い人生を過ごすことができるのでしょうか。急に病気になる、家族の介護で働けなくなる、勤め先の業績悪化で収入が減ってしまうなどリスクはいくらでも存在します。そのような想定外のリスクが起きても変わらず生活できるようにするため、資産運用はひとつの選択肢です。また、「インフレリスク」にも備える必要があるでしょう。

日本に存在する「インフレリスク」を知ろう

日本には、いくつもの「インフレリスク」が存在しています。

たとえば、現在10万円で購入できる時計が、10年後には20万円に値上がりしたとします。この場合、現金の価値は以下のように考えられます。

  • 現在:10万円=時計1個分の価値がある
  • 10年後:10万円=時計半分(2分の1個)の価値に下がる

このように、物価の上昇により現金の価値が相対的に下がる(=同じ額で購入できるものが減る)ことを「インフレリスク」といいます。

では、実際に身の回りのものはどの程度値上がりしているのでしょうか。下のグラフは食料品の消費者物価指数の推移を表したものです。この「消費者物価指数」とは、モノやサービスの値動きを把握するための統計指標で、2015年の物価を100として算出されています。

総務省「2020年(令和2年)平均消費者物価指数の動向」より転載

このグラフを見ると、食料品は年々価格が上昇していることがわかります。ちなみに日本はエネルギー資源の自給率が11.8%(※1)、食料自給率は25%(※2)と非常に低く、生活に必要なものの多くを輸入に頼っています。そのため、外国の事情でエネルギー資源や食料品の輸入価格が変動すると、日本の物価は左右されてしまいます。
同様に、為替変動も物価上昇のひとつの要因となります。円安になれば円の価値が下がるため、日本ではモノの輸入コストが高くなるというリスクを抱えています。

すでに「物価の安い国」日本の行方には不透明さも

ところで、日本は世界と比べてすでに「物価の安い国」となっています。たとえば、日本のディズニーランドの入園料(7,500円)は海外と比較し、どの程度の水準なのかご存知でしょうか? 実は世界で一番安く、アメリカ・カリフォルニア州の約半分です。上海(8,824円)や香港(8,811円)と比べても違いが分かります。また、100円ショップの商品も、日本では100円ですが、他国では200円以上もの価格で売られていることも珍しくありません。
このような状況を見ると、いま持っている現金が増えないことこそがリスク、と考えることができます。

少額から投資を始めてみることも

それでも「元本割れ」を心配し、資産運用に抵抗がある人はいることでしょう。こうした場合は、下記のような少額から始められる資産運用をお勧めします。

少額での株式投資

株価の安い銘柄を選んで購入し、投資額を抑える手法です。株価の変動は多少ありますが、数万円程度から始められます。買った株の価格が上がれば運用額も増えるので、こまめに株価をチェックしましょう。株価はインターネットやアプリで簡単に調べることができます。

ミニ株への投資

ミニ株は株式ミニ投資の通称であり、通常100株単位でしか買えない株式を、1株単位から購入できるサービスです。いくつかのネット証券会社が提供しています。こちらも銘柄や株価によりますが、数百円数千円程度から始められるものも多くあります。
ミニ株も株式投資の一種なので株価によって運用額が変動しますが、購入金額が少なくなるため、変動額も抑えられます。

積立投信(投資信託の積み立て)

積立投信では毎月一定の額で投資信託を購入するものです。100円から積み立てられるため、少額での株式投資やミニ株に不安のある方がチャレンジしやすい投資方法です。銀行や証券会社でも申し込めますが、手数料が安いネット銀行やネット証券であれば利益を生み出しやすいでしょう。

終わりに

銀行に眠らせているだけではお金を増やせないいま、生活に必要な資金は残しつつ、余剰資金で資産運用を行う「お金に働いてもらう」という選択も非常に重要です。いざ生活の危機に直面してから、急に生き方やお金との関わり方を変えることは非常に困難です。
いまのうちから少しずつお金を「増やす」ことを検討してみましょう。

※1 経済産業省資源エネルギー庁「2020--日本が抱えているエネルギー問題(前編)

※2 農林水産省「日本の食料自給率

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