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【FPが解説】老後に備え自分で運用! 低リスクで安全な「国債」のハナシ

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老後「2000万円問題」など、老後の貯蓄が注目され続けている昨今。資金を増やさなくては......と焦るものの、具体的にどんなことをすれば分からないという方も多いのではないでしょうか?

「資産運用」という言葉をよく耳にするようになりましたが、株式や投資信託は元本割れリスクが高いため、運用初心者にはあまりオススメできません。

そこで今回は、株式や投資と比べ低リスクで運用できる第三の選択肢「国債」について解説します。

国債とは

「国債」とは国の発行する債券のことです。国債の購入は、国に一定期間投資をすることになります。満期になると元本が返ってくるうえ、投資の見返りに利子がつきます。

日本で発行された債券は「日本国債」、外国で発行されたり外国の通貨を使ったりしている債権は「外国債」と呼びます。いずれも仕組みは同じです。

財務省「個人向け国債トップページ 個人向け国債ってどんなもの?」より転載

外国債に関しては、円安や円高などの為替、発行国の情勢による影響を受けるため、多少リスクが高くなるのが難点です。さまざまな知識がないと運用が難しいこともあるため、今回は、比較的安全性の高い「日本国債」に限って解説を進めていきます。

国債のメリット

そもそもなぜ国債なのか、と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。ここでは、その理由についてご説明します。

1.安全性が高い

国債の魅力は何といっても「安全性」です。金融商品を購入する際に気を付けなくてはならないのは、「発行元の倒産」の可能性です。銀行の定期預金や株式、投資信託、保険といった金融商品は、多くの場合、民間企業が担っています。ですので、あまり考えたくないことですが、倒産のリスクがゼロとは言えません。
もちろん国債も100%安全とはいえませんが、国が運営しているためかなり安全性が高いといえます。企業と国、どちらが破綻の可能性が高いかは一目瞭然です。

2.元本が減らない

国債は元本+利子を付けた形で債権者に返還されます。つまり、預けた元本が100万円だとしたら、100万円以上になって返ってきます。

株式や投資信託といった金融商品は、情勢によって元本が減る可能性は大いにあります。また、保険も保険料払込期間内に解約した場合には元本割れを起こします。その点、国債は元本割れをしません。こういった点も国債が低リスクである所以です。

3.定期預金よりも利率が高い

元本割れをしない代表的な金融商品は定期預金です。しかし、現在はゼロ金利政策の真っ只中であるため、銀行の利率が非常に低くなっています。現在、メガバンクの定期預金の利率は、300万円未満で0.002%。100万円を10年満期の定期預金に入れても、10年間で200円しか増えません。一方、国債は最低保証があり、現在の最低保証金利は0.05%となっています。
たとえば、10年満期の変動金利型国債を100万円購入した場合は、最低でも5,000円増えることになります。変動金利の場合は、情勢により利率が上がることもあるので、更に受取利子が増える可能性もあります。

国債のデメリット

国債にもデメリットが当然あれます。メリットと比較し、納得のいく場合には購入を検討するとよいでしょう。

1.ローリスクローリターン

国債は安全性をうたう金融商品です。したがって、株式や投資信託といったハイリスクハイリターンの商品と比べ、お金を殖やす力は弱いといえます。あくまで、「安全にお金を殖やしたい」方向けの商品であることを忘れないようにしましょう。

2.換金性が低い

国債は1年経過後ならいつでも中途換金することができます。ただし、中途換金した場合は「中途解約調整額(直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685)」が差し引かれます。
元本割れはしませんが、受け取る利子が少なくなります。
また、中途換金したとしても、すぐにお金を受け取ることは出来ません。中途換金を申し出てからおおむね3営業日後以降に受け取ることになります。銀行預金のように即日受け取ることができない点は、注意が必要です。

定期預金にするなら国債がオススメ

筆者は仕事柄、さまざまな方からお金についての相談をいただきますが、女性に多いのが「何となく銀行に預けているお金がある」というお話です。お金は「目的に合った利用をしているのか」が大事です。
銀行に預金をするメリットは「いつでもすぐにお金を引き出せること」にあります。ですから、有事の際にすぐ引き出せるようにするために銀行に預けることは何ら問題のないことです。しかし、「今すぐ必要なお金ではないけれど、ただ何となく貯めている」「少しでも利息が付いたほうがいいから定期預金に預けている」と言った場合は、預け先を見直したほうがいいかもしれません。

いきなり株式や投資信託といった運用はハードルが高いため、こういった場合は国債をオススメしています。では、どのような商品があるのでしょうか。簡単に触れておきます。

財務省ウェブサイトの情報を基に作図

上記のように、国債は「変動金利型」と「固定金利型」に分かれ、全部で3つの商品があります。現在はゼロ金利政策とコロナの影響もあり、経済情勢が非常に不安定です。よって金利もかなり低く設定されており、今後10年の金利が徐々に上がっていく可能性も考えられます。

こうした時代には「変動金利型」の商品がオススメです。社会情勢が落ち着き、景気が良くなって金利が上がった際には、より多くの利子を受け取ることができます。逆に、好景気で金利が高い時は、金利がずっと変わらず高いままで維持される「固定金利型」の商品が良いといえます。

ただし、国債は変動金利型が10年満期の商品しかありません。「10年だと少し長すぎる」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。もしも、どうしてもお金が必要となった場合は、「中途換金制度」があります。
国債は1年経過後ならいつでも換金でき、購入金額の一部、または全部を中途換金できます。また、中途換金のペナルティーも税引き前の直前階分の利子から差し引かれるため、元本割れの心配もありません。

財務省ウェブサイト「「変動10年」商品概要」より転載

中途換金の特例といって、災害救助法の適用対象となった大規模な自然災害により被害を受けた場合や、保有者本人が亡くなった場合には上記の期間にかかわらず換金できるのも良いところです。

まとめ

国債はローリスクローリターンであり、運用初心者も安心して購入できる金融商品です。ただし、リスクをとってもお金を殖やしたいという方には向きません。
すべての金融商品に共通して言えることですが、万能な商品はありません。老後の資金を貯めるために運用をする際は、メリットやデメリットだけでなく、ご自身の価値観に照らし合わせて検討することが必要です。

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