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老後夫婦の生き方とお金 低金利時代を乗り切る資産運用の基礎

kurashino

「老後2000万円」問題でにわかに注目された、私たちのリタイア後の生活費。余裕のある老後を送るためには十分な資産を用意したいところですが、ゼロ金利時代の昨今、銀行に預金をしても利息は期待できません。とはいえ、素人が投資に手を出すにも、資産運用にはリスクがともないます。

今回は、安定性を重視しつつ、銀行預金よりも効率良く資産を増やす手段のひとつとして、「つみたてNISA」で運用する方法を解説します。
長期的な目線で資産形成を図り、余裕のある老後を目指すためのひとつの考え方として参考になさってください。

「つみたてNISA×インデックスファンド」3つのメリット

今回は、投資未経験者でも比較的取り組みやすいインデックスファンドを中心に、解説していきます。
このインデックスファンドとは、「日経平均」や「TOPIX」「東証株価指数」といった皆さんもよく耳にするであろう各種指数と連動するように運用される投資信託のことです。
また、「つみたてNISA」とは、対象商品を最長で20年間、利益に対して税金が発生しない形で積立投資できる、資産運用における優遇制度のことです。

インデックスファンドを「つみたてNISA」で運用することによって期待できるのは、次のような効果です。

1.手軽に思いどおりの分散投資ができる

分散投資とは、ひとつの投資対象に資金を集中させるのではなく、さまざまな投資対象に資金を分散させることを指します。これによって、個々の投資対象の値動きの影響が小さくなるため、安定した資産運用が可能になります。

インデックスファンドに投資すると、この分散投資を簡単に実現できます。たとえば、日経平均株価は225社の株価をベースに算出した指数ですが、これに連動したインデックスファンドを購入すれば、225社の株式を購入するのと同じ効果が期待できます。

数多くの投資対象を購入するには、それなりの資金が必要ですが、インデックスファンドをひとつ購入するだけで分散投資が実現できるため、手軽に安定した運用が実現できます。市場全体に投資できるため、投資に慣れていない人にとって分かりやすいのもまた魅力です。
株式や債券、REITなど、市場という大きなレベルで特徴や状況を把握しながら、自分の目的に合わせた分散投資を目指すといいでしょう。

2.積立投資により購入単価を低く抑えられる

「つみたてNISA」は、積立投資を前提とした制度です。この積立投資には、分散投資と同じように安定した資産運用につながる仕組みが隠されています。
積立投資とは、たとえば毎月2万円ずつといった形で、定期的に少額ずつ購入する方法です。仮にひとつのタイミングにまとめて購入した場合、そこが相場の天井になれば資産運用は失敗に終わってしまうでしょう。しかし、積立投資により購入するタイミングを分散させることで、そういったリスクはほとんどなくなります。
加えて、定額ずつ購入する形にすれば、自然と価格が高いところでは購入数が減り、価格が低いところでは購入数が増えます。その結果、全体での平均購入単価を下げる効果を期待できます。

相場には必ず下落局面もありますが、この仕組みを理解していれば、比較的冷静な気持ちで値上がりを待つことができるのではないでしょうか。このように、いつ買うべきか悩む必要がないぶん心理的に楽な点は積立投資の大きなメリットです。

3.長期投資で節税効果が大きくなる

「つみたてNISA」では、最長で20年間もの非課税期間が設けられており、長期間の投資が想定されています。長期的な目線で投資を行えば、一時的な相場の下落によって損失が確定してしまうことがないため、資産運用としても安定した結果を期待しやすくなります。

また、長期間にわたって一定の利回りで運用し続けた場合、複利効果を期待できます。複利効果とは、発生した利益からも利益が生まれることにより、時間が経つにつれてより大きな利益が生まれるようになる現象のことです。さらに、通常であれば運用で得た利益に対しては約20%の税金が発生しますが、「つみたてNISA」ではこれが非課税となります。

つまり、長期間の投資を行うほど、大きな節税効果を期待できるようになる側面もあるわけです。

資産運用のシミュレーション

安定した資産運用につながりやすい「つみたてNISA×インデックスファンド」ですが、実際にどのくらい資産形成できるのか、シミュレーションしてみます。20年間の長期投資を行うことを前提に、積立金額と運用利回りの値を変えながら、資産がいくらに増えるのかを見ていきましょう。
なお、毎月1日に積立を行い、一定の運用利回りで複利運用するという仮定で計算を行っています。また、手数料については考慮しません。あくまでも簡易的なシミュレーションなので、必ず同じ結果が得られるわけではない点にご留意ください。

(1)積立金額:毎月2万円、運用利回り:3%

※筆者作成

(2)積立金額:毎月3万円、運用利回り:3%

※筆者作成

(3)積立金額:毎月2万円、運用利回り:5%

※筆者作成

(1)と(2)はいずれも運用利回りが3%ですが、積立金額が(1)2万円と(2)3万円という形で異なります。最終的な資産価額を見てみると(2)が(1)の1.5倍になっており、積立金額に比例して最終的な資産価額も変わることが分かります。
ちなみに、(1)と(2)の積立元本に対する利益の割合(利益率)にも目を向けてみると、こちらは両者同じ推移をたどっています。1年目は約0.24%というスタートですが、20年目では最終的に約36.5%になっており、時間とともに大きく高まる形になっています。

(1)と(3)は積立金額が2万円と同じですが、運用利回りが(1)3%と(3)5%という形で異なります。20年目の利益率を比べてみると、(1)は約36.5%なのに対し、(2)は約69.8%と、運用利回りの割合以上に高まっています。このことから、長期投資を行うと運用利回りの差が少しずつ拡大していくことが分かります。

ただし、自分で決められる積立金額と違い、運用利回りはある程度の予想はできても、自分でコントロールするのが難しい部分です。また、運用利回りを高めることを追求していくと、同時にリスクも高まってしまうおそれがあります。
資産運用をする際には、運用利回りは保守的に低く見積もりながら積立金額をコントロールする方向で資産形成計画を立てていくほうが安全かもしれません。

頭に入れておきたい3つの注意点

安定した資産運用の方法と効果について説明してきましたが、実践するうえでは以下の3点について注意しておく必要があります。

1.元本割れのリスクがゼロになるわけではない

資産運用にともなうリスクをある程度抑えられるとはいえ、相場を完全にコントロールすることは不可能であり、リスクがなくなることはありません。インデックスファンドも元本割れすることは十分にあり得ることを理解したうえで、資産運用には資金を投入するようにしましょう。

完全に元本割れを避けるとすれば銀行預金を選択することになりますが、いまの金利では資産を増やすのは難しいでしょう。たとえば、絶対に元本割れさせたくない金額は銀行預金として保有し、その他の部分だけを資産運用に回す形で、ご自身の資産を守りながら資産運用を行うのもひとつの方法かもしれません。

2.運用にかかる手数料が差し引かれる

投資信託には、投資資金に関する日々の運用を専門家が代行してくれるため、手間が少ないというメリットがあります。その一方で、この運用を代行するというサービスには費用が発生しており、信託報酬という形で資産から差し引かれます。そのため、投資信託で資産運用をする場合には、ご自身の選んだ商品がどの程度の信託報酬を支払うことになっているのかしっかり把握しておく必要があります。
なお、インデックスファンドは信託報酬が低いことが多いのですが、同じタイプの商品を比較する際には、信託報酬がいくらかかるのかも基準のひとつとして意識するとよいかもしれません。

3.大きな利益を狙うのには向いていない

安定した資産運用をする場合、リスクは抑えられる一方で大きなリターンをねらうのは難しいところがあります。投資においてはリスクとリターンは比例するため、無茶なリターンをねらわないからこそリスクが抑えられているとも言えるかもしれません。そのため、あくまで長期的な目線で利益を少しずつ積み上げたいという人にとってのみ、メリットの大きい資産運用方法ということになります。
もしも「資産を何倍にもしたい」「短期間で大きな利益を出したい」という目的を持っている場合には、おすすめできる方法とは言えないでしょう。

資産運用の目的を明確にしよう

今回は、リスクを抑えた資産運用をテーマに、「つみたてNISA×インデックスファンド」という組み合わせの特徴を紹介しました。これ以外にも資産運用にはさまざまな形が考えられますが、銀行預金を上回る利益率を安定した形で目指す考え方のひとつとして参考になれば幸いです。

資産運用で大事なのは、「何のために、いつまでに、どれぐらいの資産形成をしたい」という目的を明確にすることです。そこから逆算して考えれば、どんな資産運用をすべきなのかが見えてきます。自分に合った資産運用を把握して、将来に向けた準備を始めていっていただければと思います。

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