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無理なく始めよう 支出が多い40代でも始められる老後に向けた1000万円の資産形成

kurashino

40代は教育費や住宅ローンの返済など、何かと支出が多い時期です。貯金が大切だとわかっていても、「何から手をつけたらいいかわからない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。総務省の資料(※1)によると、2018年現在、世帯主が40代の世帯の平均貯蓄額は1,012万円です。
「貯金1,000万円なんて無理」と思うかもしれませんが、やり方によっては実現可能な金額です。貯金に回すお金を月5万円捻出できれば、1年で60万円、10年続ければ600万円貯まります。さらにボーナスを追加すれば、貯金1,000万円も見えてきます。

今回は、支出が多い40代でも無理なく月5万円貯金できる方法を紹介します。

まずは自動車の是非から

首都圏のように公共交通機関が発達している地域に住んでいて、自動車に乗る機会が少ない場合は、思い切って自家用車を手放すことも選択肢です。自動車は本体価格が高額なのはもちろん、さまざまな維持費もかかります。

比較的維持費のかからない軽自動車を例に試算してみると、年間にかかる費用はおおよそ27万円ほど。

項目

1年にかかる費用
(概算)

備考

軽自動車税

7,200円

自動車重量税

2,500円 

エコカー減税50%適用とした場合

自賠責保険料

1万5,130円

任意保険料

4万9,057円

損害保険料算出機構「自動車保険統計 2017年度版」を基に試算

車検費用

4万円

8万円で試算。2年に1度のため、半額を計上

ガソリン代

2万5,000円

  • 月間平均走行距離456km(一般社団法人 日本自動車工業会「軽自動車の使用実態調査報告書 2020年3月」より)
  • ガソリン代135円/L
  • 燃費30㎞/Lとして、試算

駐車場代

12万円

月1万円で試算

その他

1万円

オイル交換、工賃、洗車代、一時駐車料金など

合計

26万8,887円

※編集部独自試算

車両本体価格も考慮すると、自動車を手放すだけで月5万円以上の節約効果が期待できます。
大都市圏は電車やバス、タクシーを使えばスムーズに移動できますし、自動車を使いたい場合は、カーシェアリングやレンタカーを利用する方法もあります。たとえば、4時間/回のカーシェアリング(1,000円/1時間)を月4回(合計16時間)利用した場合、1カ月にかかる料金は1万6,000円(年約20万円)です。

自動車を使う頻度が少ない場合は、自家用車を保有するより公共交通機関やカーシェアリングを利用するほうが安く済みます。ただし、いきなり自家用車を手放すことには、不安を感じるかもしれません。まずは公共交通機関やカーシェアリングだけで生活するお試し期間を設けて、問題なく生活できるか試してみてはいかがでしょうか。

地方にお住まいで日常生活に自動車が欠かせない場合は、車両価格や維持費が比較的安い軽自動車の利用を検討しましょう。

不要な保険は解約する

毎月の保険料の支払いを負担に感じている方もいるのではないでしょうか。
生命保険文化センターの調査によると、世帯の平均年間払込保険料(かんぽ生命、JA、県民共済などを含む全生保)は38.2万円です。世帯主の年齢別では40~44歳は34.5万円、45~49歳は42.7万円となっています。

生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査|図表Ⅰ-20 世帯年間払込保険料(全生保)[世帯主年齢別]」の情報を基に筆者作図

40代は毎月3万円前後の保険料を払っていることになりますが、日本は公的保障が充実しているので、本当に必要な保険はそれほど多くありません。加入中の保険を見直して不要な保険を解約すれば、保険料を節約でき、貯蓄に回せる金額を増やせます。

高額の医療費を払ったときは、健康保険(国民健康保険)の高額療養費制度により、1カ月の自己負担限度額を超えた部分について払い戻しを受けられます。70歳未満の場合、1カ月あたりの医療費の自己負担限度額は以下の通りです。

所得区分
(標準報酬月額)

自己負担限度額

4カ月目以降

83万円以上

25万2,600円+(総医療費-84万2,000円)×1%

14万100円

53万円~79万円

16万7,400円+(総医療費-55万8,000円)×1%

9万3,000円

28万円~50万円

8万100円+(総医療費-26万7,000円)×1%

4万4,400円

26万円以下

5万7,600円

4万4,400円

住民税非課税者等

3万5,400円

2万4,600円

たとえば、標準報酬月額40万円の人が入院し、1カ月の支払額が30万円(総医療費は100万円)だった場合、自己負担限度額は8万7,430円で済み、残り21万2,570円(30万円-8万7,430円)の払い戻しを受けられます。

病気やケガで連続して3日間会社を休んだときは、4日目以降について健康保険から傷病手当金が支給されます。支給額は、欠勤1日につき「平均報酬月額の30分の1相当額×2/3」です。支給期間は、同一の傷病などにつき支給開始から最長1年6カ月です。

また、国民年金や厚生年金の加入者が死亡した場合は、遺された家族に遺族基礎年金(国民年金)・遺族厚生年金(厚生年金)が支給されます。たとえば、夫(会社員)、妻、子(18歳未満)の3人家族で夫が死亡した場合、子が18歳に到達する年度まで遺族基礎年金が年100万6,600円支給されます。また、一定の要件を満たせば遺族厚生年金も受け取れます。(※2)

このように、公的保障だけでも一定の保障を確保できているので、ある程度貯金を準備できているなら、民間の保険には加入しないのも選択肢のひとつです。ただし、子どもがまだ小さい場合や自営業者で十分な公的保障がない場合などは、保険料が安い掛け捨ての保険を利用して必要な保障を確保しておきましょう。

スマホを格安SIMに変更する

ソニー生命の調査によると、毎月のスマホ利用料金の平均額は6,041円で、年代別で見ると40代は6,006円となっています。通信事業者別では三大キャリア(docomo、au、softbank)は7,516円、格安SIMや格安スマホを提供するMVNOは2,830円で、その差は4,686円です。

ソニー生命「スマートフォンに関する意識・実態調査2019」の情報を基に作図

スマホの通信事業者にこだわりがないなら、格安SIMへの変更を検討しましょう。格安SIMに変更して毎月の通信費が5,000円安くなると、1年で6万円、10年で60万円もの節約になります。家族全員が格安SIMに変更すれば、世帯全体ではさらなる節約効果が期待できます。
格安SIMに変更することに抵抗のある人もいるかもしれませんが、昼休みなど特定の時間帯につながりにくくなる程度で、機能面に大きな違いはありません。ただし、格安SIMは通話料金が割高になる場合があるので、無料通話ができるアプリを活用して料金を抑えましょう。

教育費を見直す

「子どものために教育費にはお金をかけたい」「教育費だけは削りたくない」という方は多いのではないでしょうか。教育費にお金をかけることは悪いことではありませんが、支出が際限なく膨らむリスクがあるので注意が必要です。文部科学省の調査によると、公立と私立で1年間の学習費総額にかなりの差があることがわかります。

文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果についてP1」の情報を基に筆者作図

私立を選んだ場合、小学校では約130万円、中学校では約100万円、高校では約50万円と、年間の学習費の負担が効率よりも増えることになります。

教育費は、たくさんのお金をかければよいわけではありません。また、教育費にお金をかけすぎて十分な老後資金を準備できなければ、将来子どもに負担をかけることになりかねません。収入には限りがあるので、お子様ともよく相談したうえで無理のない進路を選ぶことが大切です。
複数の塾・習い事に通っている場合は、本当に必要なものに絞ることで教育費の節約につながります。

まとめ

40代でも無理なく貯金するには、支出が多い固定費を見直すのがコツです。特に「自動車」「保険」「スマホ代」「教育費」の4つは節約できる金額が大きく、一度見直すだけで節約効果が長く続きます。もちろん、紹介した方法をすべて実践する必要はありません。ひとつ実行するだけでも貯金に回せるお金は増えるので、できると思えるものがあればすぐに取り組んでみましょう。

※「令和2年度平均年収と学歴調査

※1 総務省統計局「家計調査年報(貯蓄・負債編)2018年(平成30年) 貯蓄・負債の概要」
https://www.stat.go.jp/data/sav/2018np/gaiyou.html

※2 日本年金機構「遺族年金」
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-03.html

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