お金・資産 将来への備え

財産や所有物を把握し、身辺整理の第一歩を!

kurashino

財産や所有物について自分の状況を把握することは、今から亡くなるまでの間のどれくらい資産があって、使うのか、運用計画、場合によっては返済について考えるきっかけになります。つまり資産を管理するということに直結します。
さらには、自分亡き後の相続についても少しずつ考えることへも繋がります。
どれぐらいのものを所有しているかについて、自分の頭の中ではだいたい把握しているという方も多いことと思います。
しかし、ここで一度、すべて"目に見える化"をしてみませんか? そうすると考えなければならないこと、やるべきことがわかってきます。まずは、できるところから少しずつ手をつけていきましょう。

口座・証券(有価・保険)を精査し、まずは一覧表を作ること

それでは、"目に見える化"していきましょう。

自分が持っている通帳やキャッシュカード、クレジットカード、証券を机にならべる

最初の取り組みとして、自分が持っている通帳やキャッシュカード、クレジットカード、証券(有価証券・保険証券)などを、しまっている場所からすべて出してみてください。
机の上に並べてみると、忘れていた、または今となっては不要なものがあるかもしれません。
これまで勧められるまま作った複数の銀行口座やクレジットカードなどを見極めて、2つぐらいに減らすと管理するものも少なくてすみます。

クレジットカードの整理のポイント

クレジットカードには年会費が必要なものもあれば、不要なものもあります。
年会費のあるカードの場合、死後も継続して自動的に引き落とされることになります。
ですので、"無駄に"年会費を払っているカードは解約しましょう。
また、クレジットカードに家族カードが発行されているものや、ポイントカードにクレジット機能が備わっているものもあるので、どういう条件のカードなのかを見極めてから解約を検討してください。

銀行口座整理のポイント

生活費の口座や貯金の口座、光熱費等の引き落とし口座など目的別に口座を使い分けている方も多いと思いますが、管理する口座を少しでも減らすという意味で、現在まったく使っていない口座はまず解約しましょう。
また、銀行は合併を繰り返し、口座を作った銀行名が変わっていることもありますので、長年使っていない口座は特に注意して早めの解約をすることで死後に残された人への負担を軽減できます。

「預貯金」「有価証券」の一覧表を作ります

その後、「預貯金」「有価証券」の一覧表を作っておくと、ひと目でわかりやすくなります。

口座・証券(有価・保険)の一覧表の例

金融機関名

支店

種類

口座番号

キャッシュカード

備考

□□銀行

A支店

普通預金

xxxxxxxxxx

 

定期預金

xxxxxxxxxx

旅行用

○○銀行

B支店

普通預金

xxxxxxxxxx

 

定期預金

xxxxxxxxxx

葬儀費用

△△銀行

C支店

普通預金

xxxxxxxxxx

 

外貨定期預金

xxxxxxxxxx

 

「預貯金」「有価証券」の一覧表の例

証券会社名

種類

銘柄/会社名

数量

額面金額

備考

○○証券

 

株式

 

□□社

30

3,500,000円

 

XX社

60

5,250,000円

 

生命保険の受取人をチェックします

また、保険証券の中でも長期にわたるものは加入時と比べて自分を取り巻く環境が変わっているものも少なくありません。特に生命保険の受取人は今一度チェックしてみましょう。
自分が亡くなった後、残された家族は口座の解約や各種保険の手続きなどとても大変ですので、その手間を少なくするという意味でも、ぜひ一度整理し、自分と残された人にもわかりやすい管理をおすすめします。

生命保険の一覧表の例

保険会社名

種類

証券番号

保障金額

保障期間

受取人

○○生命

 

生命保険

45678912

5,000,000円

終身

医療

12398745

1万円/1日

75歳

自分

XX生保

がん保険

98765432

5,000円/1日

終身

自分

土地・建物といった不動産は再度名義の確認を

資産は現金や証券類だけでなく、保有する建物や土地といった不動産も含まれます。
現在住んでいる家以外に別荘、借家・借地・駐車場として貸しているもの、そして農地・山林など譲り受けたものについては、名義人が誰になっているのかの再確認はとても大切です。口頭だけで親から伝えられている場合があるからです。
土地や建物などの不動産の名義人が、現在誰になっているかを調べるには、法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)を取得するとわかります。

不動産所有者の氏名・住所は、法務局に備えてある登記簿に記載され、一般公開されています。
自分名義の不動産については、建物・土地の評価まで把握し、リスト化しておくことをおすすめします。不動産の評価額の合計がわかると、のちに相続税の発生についても予想できるので、もしもその懸念がある場合は、税理士や土地家屋調査士への相談をおすすめします。

建物・土地のリスト化の例

種類

用途

所在地

面積

評価額

備考

建物

自宅

東京都○○区○○町1-1-2

35坪

32,000,000円

 

土地

貸地

東京都○○区○○町3-4-5

25坪

25,000,000円

 

現金や不動産以外の相続財産の対象にも注意を

遺産相続の対象となる資産といえば、現金・証券・不動産等がすぐ思い浮かびますが、それ以外に自動車、船舶、骨董品、美術品、宝石、貴金属、ゴルフ場の会員権、特許権、著作権、商標権といったものも挙げられます。

つまり、市場取引の対象となる価値があると判断されたものが対象となります。
評価については、実際に市場で売買されている金額や専門家の鑑定により、その評価額が参考にされます。
一方、仏壇・仏具・位牌、墓地・墓石は、宗教的礼拝に使用するものなので、資産を形成するといった目的ではないとみなされるため、相続の対象にはなりません。

マイナスの財産を再確認することの重要性

所有する財産はプラスのものだけでなく、債務や借金といったマイナスのものもあります。
例えば、家や車のローンなど。また個人的に借りているものがある場合も。細かいことまで言えばクレジットカードの未払い金や未払いの家賃、光熱費、通信費といったものも含まれます。
すべて書き出して返済残額や返済期間・返済計画を確認しておくのは、これからを考える意味でもとても大事なことです。
もう少し早く完済できるものもあるのでは?と見直すきっかけにもなります。
プラスの財産よりもマイナス財産が上回る場合には"相続放棄"も可能ですので、残される人たち(相続人)のためにも、マイナスの財産も明らかにさせておきましょう。
"相続放棄"は、相続開始後3か月以内に家庭裁判所に申し立てることになります。

財産情報をクリアにし後悔のない生き方に繋げるために

資産や所有物を本人が把握できなければ、自分亡き後、本人以外の人がそれらを調べるのはかなり難儀なことです。また本人だけが把握していて、配偶者または家族はまったく知らないということもままあり、これはのちに大変な事態(多額の相続税支払いやマイナスの相続を引き継ぐ等)を招く可能性もあります。ですので、定期的に資産情報を更新し、それらの財産情報がどこを見ればわかるのかを家族に伝えておくことも大事です。

資産の管理方法

管理ツール

特徴

ノート

自分が伝えたい最低限の項目を書けばいいというシンプルさが取り掛かりやすさに繋がる。

エンディングノート

多くのエンディングノートに共通する基本項目があるので書き漏れが防げる。

エクセル

自分が見やすいようにまとめられるのが利点。データはクラウドなどにアップしたほうが好ましい。

終活用アプリ

書くのが苦手でスマホでお手軽にという良さとデジタルデータとして残るので災害時に失うことがない。

プラスとマイナスの財産をわかりやすくシンプルにまとめておくことは、残された人のためという意味もありますが、自分の残りの人生でやりたいことを叶えられる金銭的余裕があるかを見極めることにも繋がります。

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