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老後資金にどう活かす? 50代からの個人年金保険への加入の仕方

kurashino

老後にもらう年金額に不安を感じ、自分自身でも老後資金の準備が必要だと考える人は多くいます。老後の資金準備にはいくつかの方法がありますが、その中で個人年金保険が良いという話を聞いて興味を持つ人は少なくないようです。
しかし実際に加入しようと考える段階になって、どんなメリットがあって、どんな種類を選べばいいのか分からないという話も聞きます。

そこで今回は、個人年金保険の制度の内容や仕組みを説明します。加入のメリットや注意点を知り、加入の参考にしてください。

個人年金保険とは

個人年金保険は生命保険会社が提供している私的年金制度のひとつです。
仕組みをざっくり言うと、保険会社との契約で保険料払込期間、年金受給開始時期、年金額、年金受給期間などを決め、それに応じた保険料を支払います。契約で決めた年金受給開始期になれば保険会社から年金が支払われる仕組みです。

一例として年金を10年間受け取る「10年確定年金」の例を示します。この場合、年金受給開始期が来れば、それから10年間にわたり年金を受け取ることができます。

しかしひとくちに個人年金保険といっても、さまざまな種類があります。先の例では年金を受け取る期間が10年間となっていますが、年数を変えたり、生存している限りずっと受け取れたりするものもあります。

他にも「受取る年金額があらかじめ決まっているかどうか」といった種類分けをすることもできます。どのタイプを選ぶかで老後資産形成が変わってきますので、まずはどんな種類があり、それぞれどんな仕組みであるかを知っておきましょう。

有期年金

契約時に定めた一定期間中、被保険者が生存している限り年金を受け取ることができるタイプの年金です。
たとえば年金期間を10年と決めた場合、10年間年金が支払われますが、年金受給期間中に被保険者が死亡すると基本的にはそれ以降の年金支給は停止されます。年金開始してすぐの死亡など、元本割れリスクを避けるため、一般的に販売されている有期年金は保障期間がついている「保障期間付き有期年金」となっています。
この場合、万一、保障期間中に年金受取人が死亡した場合には、残りの期間分は遺族に年金が支払われます。

確定年金

先に見た有期年金のうち、年金受給期間と保障期間が同一である年金です。一定期間中に被保険者が死亡した場合、残りの期間に対応する年金、または一時金の受け取りは遺族等に引き継がれることになります。
つまり、契約で定めた受取期間分は被保険者の生死に関係なく受け取ることができます。年金期間は保険会社にもよりますが、5年、10年、15年などが多いようです。

終身年金

確定年金(有期年金)のような一定期間の定めがなく、被保険者が生存している限り、一生涯にわたって年金を受け取ることができるタイプの年金です。とはいえ、有期年金と同様、年金開始してすぐの死亡など、元本割れリスクを避けるため、一般的に販売されている終身年金は保障期間がついている「保障期間付き終身年金」となっています。この保障期間中に年金受取人が万一死亡した場合には、保障期間の残り部分は遺族に年金が支払われます。

変額個人年金

一般的に個人年金保険を契約する際には、将来受け取る年金額を60万円、100万円などというようにあらかじめ決めて、それに応じる保険料を払い込みます。一方、変額個人年金は年金開始までの期間が運用期間とし、その間に払い込んだ保険料を株式や債券などで運用し、その運用の実績によって将来の年金額が増減する仕組みです。

年金額は運用期間終了時の年金原資(払込み保険料を運用した結果)によって決まり、年金原資は払い込んだ保険料を上回る場合もあれば、下回るリスクもあります。具体的な仕組みは保険会社ごとに異なりますが、年金原資や年金受取総額に最低保証のあるタイプを取り扱う会社が増加しているようです。

個人年金保険に加入するメリットは?

ではここで、いくつかある老後資金づくりの方法の中で個人年金保険に加入することのメリットを考えてみましょう。たとえば次のようなことが考えられます。

  • 年金額、受取開始年齢、年金期間など、老後プランにあわせて年金を設計しやすい
  • 公的年金を受給するまでのつなぎ年金とすることも可能
  • 払込保険料に応じて所得控除が適用され、節税につながる

各生命保険会社がそれぞれ設定している取り扱い条件に合うことが前提ですが、個人年金保険は取り扱い範囲内であれば、保険料との折り合いを図りながら年金額や受給開始年齢、受給期間を自分で決めることが可能です。運用次第で年金額が変動するタイプのものもありますが、一般的には契約時に定めた年金額を確実に受け取れますから老後の収支計画も立てやすくなるでしょう。

低金利のご時世ですから、年金として受け取れる総額は払い込んだ保険料を大きく上回ることは期待できません。それなら預貯金でも良いと思う人もいそうですが、払い込んだ保険料の額に応じた「個人年金保険料控除」を受けることができます。

国税庁ウェブサイトの情報を基に作図

生命保険や医療保険に加入している人の中にはすでに生命保険料控除や介護医療保険料控除の適用を受けている人も多いと思います。しかし個人年金保険では、これらとは別枠で、所得税で最大4万円、住民税で最大2万8,000円をその年の所得から差し引くことができます。これは預貯金にはない節税メリットです。

50才からの老後資金準備に個人年金をおすすめする理由

最近では、個人年金保険に加入できる年齢の範囲を広げる保険会社も多くなり、なかには80才まで加入できるところもあります。人生100年時代という言葉をよく聞くようになりましたが、それだけ長生きリスクに備える必要があるということでしょう。定年時の退職金を老後資金の一部に充てる予定の人も多いと思います。しかし長い老後生活を考えると、退職金を少しずつ取り崩してもいずれはなくなる可能性は考慮しておきたいものです。

そこでいかに老後資金を準備するかが大切になるわけですが、保険会社によっては、ウェブサイトで個人年金保険のシミュレーション(払込保険料と年金額)ができるようになっています。

超低金利の状況下では、払込保険料総額に対して年金受給総額が大きく上回ることが期待できないことは前述したとおりです。お金の増え方も個人年金は定期預金を少し上回る程度ですが、節税効果を含めると、ぜひ検討したい商品のひとつです。

低金利の時代では投資が良いと言われることも多くなっています。筆者も投資をおすすめすることはありますが、50代になり老後が直前に迫ってくると、老後の収入見込み金額はできる限り確定させておくことも大切です。

若いうちから長年かけて資産運用する場合には値下がりしてもリカバリーすることもできますが、老後収入の確実性を期待する場合には確実性の高い個人年金保険を選ぶと安心でしょう。

個人年金のメリットを活かすために加入の仕方に工夫を!

老後資金準備をするのに個人年金保険は有効な方法のひとつであることがおわかりいただけたでしょうか。

ところで、個人年金保険のメリットのひとつである税制特典は、実は加入の仕方次第で適用の有無が変わります。

実は加入する個人年金保険契約に「個人年金保険料税制適格特約」がついていなければ、上述したような生命保険料とは別枠での所得控除を受けることはできません。この特約を付けたからといって保険料が上がるようなことはありませんから、加入時には忘れず付けておきましょう。

なお、この特約を付けるには、以下の条件すべてを満たしておくことも必要です。

  • 年金受取人が契約者またはその配偶者のいずれかであること
  • 年金受取人は被保険者と同一人であること
  • 保険料払込期間が10年以上であること(一時払は対象外)
  • 年金の種類が確定年金や有期年金の場合、年金受取開始が60歳以降で、かつ年金受取期間が10年以上であること

少しでも保険料を抑えるために保険料の払込みを一時払いにするのがいいと聞くこともありますが、その場合には個人年金保険料控除が適用されません。

税制特典を受ける場合には払込期間も受取期間も10年以上であることが条件ですから、50才以降に個人年金保険に加入する場合、年金受給開始も遅めに設定しましょう。たとえば、リタイアから公的年金開始までは退職金やそれまで貯めた預貯金を少しずつ取り崩し、65才からは公的年金と預貯金で、預貯金残高が心許なくなる頃からは個人年金保険を受け取るような老後プランにするのもいいかもしれません。加入の仕方の参考にしてください。

何よりも、50才から加入する場合には特に、保険料を払い込める1年、1年の期間が大切です。実際に加入をする際にはさまざまな保険会社でシミュレーションをしてもらい、少しでも早く加入することを心がけてください。

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