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高齢者に多いお通じの悩み。「快腸」のため、きょうからできること

kurashino

お通じのことは、あまり他の人には言いにくいもの。あなたは便秘など、お通じについて悩みを抱えていませんか? 便秘は、命にすぐ関わらないために軽く見られがちですが、決して"たかが便秘"ではありません。便秘の陰には病気が隠れていることもあるのです。また、便秘は高齢者にとって精神的にかなりの負担です。いきんでもなかなか出ないことが続くと、体力を消耗してぐったりしてしまうことも。
今回ご紹介する、日常生活で気を付けたいポイントを実践することで、あなたのお腹の不調は改善され、便秘を予防できます。

どんな状態が便秘なの? 高齢者が便秘になる原因は?

今のあなたのお通じについて、次の項目があてはまるかどうかチェックしてみましょう。

✓ お通じの回数が、週に3回よりも少ない
✓ 便が硬い、いきんでもなかなか出ない
✓ スッキリした感じがしないので1日に何度もトイレに行く

このような状態があるのなら、あなたは便秘だと言えるでしょう。

「毎日排便しないといけない」と思っている人が多いですが、週に3回くらい排便があるのなら問題ありません。むしろ便が硬い、スッキリ感がない場合は、便秘の状態と言えます。

日本では、高齢化にともない便秘に悩む人が増えています。下のグラフから分かるとおり、20~60歳の女性の多くが、「自分は便秘だ」と自覚しています。そして、60歳以降は男女ともに増加、80歳以上になると男女の差はなくなっています。

厚生労働省資料「平成28年国民生活基礎調査」のデータを基に作図

高齢者はなぜ便秘になりやすいのでしょうか? 原因として以下のことが考えられます。

  • 水分を摂る量が減るので、便が固くなる
  • 食事量が減ることで、便の量が減る
  • 加齢にともなって、腹筋や骨盤や肛門の周りの筋肉が衰えて排便しにくくなる
  • 神経が弱り、大腸の動きが鈍くなる
  • 「トイレに行きたい」と感じなくなる
  • 薬の副作用

便秘を放っておくと病気に!?

「たかが便秘だから、たいしたことない」と思う人もいるかもしれませんが、高齢者の便秘は、命に関わることが最近の研究で分かってきています。

ただの便秘と思っていたら、実際は大腸がんによる腫瘍で腸が圧迫されていたケースもあります。また、めったにない例ですが石のように硬くなった便が原因で、腸壁に穴が開いてしまうこともあるようです。
最近では、便秘と心血管系の病気のリスクが取りざたされるなど、便秘は決して我慢して放っておいてはいけません。

便秘を予防しましょう。気を付けたい生活習慣は?

軽い便秘であれば、普段の生活習慣を見直すことで十分改善することができます。
いまお通じに悩んでいない人でも、これらの習慣を身に付けることで、将来便秘になることを防げます。

1.水分を多くとる

水分が不足すると、便は固く出にくくなってしまいます。1日当たり1.5リットル以上の水をこまめに摂取することで、便秘はだいぶ改善されます。

2.食物繊維を適量摂取する

普段の食事から食物繊維は十分にとれていますか? 食物繊維は便の原料になります。適量をとることで便のカサが増し、スムーズな排便を促します。
また、食物繊維には水溶性と不溶性があり、不溶性食物繊維は、腸のぜん動運動を活発にします。積極的に摂取しましょう。主に穀類、豆類、野菜に含まれています。一方、水溶性食物繊維は便をやわらかくする働きがあります。主に野菜、果物、海藻、こんにゃくなどに含まれます。両方の食物繊維を普段の食事にうまく取り入れてみましょう。
なお、食物繊維の摂取量は、1日18~20gが適正です。多すぎるとかえって便秘になりやすいことがわかっているので、とりすぎには注意しましょう。

3.食事の時は、ひと口に対し30回以上噛む

よく咀嚼することで食べ物が唾液と混じり、消化する際の腸の負担が少なくなり、良い便が作られやすくなります。

4.あまりトイレに行きたくなくても、とりあえずトイレに座る

高齢者は便意をあまり感じないために、トイレに行くタイミングを逃してしまいがちです。朝ご飯を食べた後は、腸の蠕動運動が起こりやすくなるので、朝食後はまずトイレに座ってみましょう。

5.運動をしましょう

運動することで腸の蠕動運動を促すことができますし、自律神経も整います。気軽にできるラジオ体操は、からだをねじる動きも多く、おすすめです。もう少しからだに負荷をかけられる人は、腹筋・足腰の筋肉が鍛えられるスクワットが効果的です。

市販の便秘薬に頼っていませんか?

便秘になると市販の便秘薬に頼る方が多く、なかなか医療機関に行かない傾向があります。しかし、センナなど刺激性の薬は長期間飲み続けると腸の機能を低下させ、大腸にトラブルをきたすことがあります。
早くすっきり出したいと、大量の便秘薬を服用したり常用したりすることは避けましょう。

便秘の治療には、どんなお薬があるの?

症状や原因によって、便秘の改善策はさまざまです。気持ちよく排便できず困っている人は、一度かかりつけ医に相談してみましょう。

もし、便に血が混じっているなどの症状があれば、腸の病気が疑われるので検査が必要になります。薬での治療が必要な場合、まず基本となるのは、腸に刺激を与えない非刺激性下剤です。便をやわららかくする酸化マグネシウムや、比較的新しい薬であるルビプロストンがあります。これらの薬を使用しても改善されない時には、腸を動かす作用がある刺激性の下剤の出番です。
排便は毎日ある必要はありませんので、あくまで頓用として使います。排便が全くなかった日の睡眠前に服用し、排便があった日には服用しないことです。

ひとりで悩まずに、病院へ! 「快腸」に毎日を過ごしましょう

「食事をおいしく食べられる」「よく眠れる」「元気にからだを動かせる」と同じように、排泄は日常生活を快適に過ごすための大切な要素です。ぜひ排泄習慣を見直して、便秘で困っている人は、我慢せずお医者さんに相談してくださいね。
とはいえ、お医者さんであってもお通じの話はしにくいと感じる人もいることでしょう。しかし、お困りの症状や便の状態などは、これからどんな治療が必要になるのか判断するのに重要です。きちんと説明しましょう。
また、日頃から排便についてご家族と恥ずかしがらずにお話しできるといいですね。毎日の体調の変化に介護する人が気付くことで、普段の食事も見直すことができます。早めに対処して、つらい便秘を起こさないようにしましょう。

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