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リフォームで意識したい「換気機能」 生活への影響を看護師が詳しく解説

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「空気のような存在」という言葉のとおり、私たちは普段、当たり前としてある空気のことを意識していません。しかし、空気は生きていくうえで欠かせないものです。

新型コロナウイルス感染症により、換気の重要性が高まりました。空気中にはウイルスだけでなく、ほこりやカビ、ペットの毛などが浮遊しやすく、日常生活で汚れやすい状況にあります。
空気は目に見えないからこそ、きちんと換気ができているのか分かりづらく、そのため何となく換気しているという方も多いかもしれません。

今回は、換気の基礎知識や正しい換気方法に加えて、花粉の季節や真夏など、換気が難しい場合の対処法について解説します。

換気にまつわる基礎知識

換気とは、空気を入れ替えて新鮮な空気を室内に取り込み、人間にとって害のある物質を外に出すことです。
害のある物質はさまざまあります。思い浮かびやすいのはウイルスや細菌ですが、花粉やほこり、二酸化炭素など、生活上、自然発生するものも少なくありません。そのため、健康を保つには定期的に換気をしなければなりません。

換気の方法には、「自然換気」と「機械換気」の2種類があります。自然換気は、窓を開け風の流れを利用して換気する方法です。機械換気は、換気扇を利用して強制的に換気するものをいいます。
エアコンをつけていれば換気をする必要がないと思う方もいるかもしれませんが、一部のエアコンを除いてそれは誤った認識です。エアコンは、室内の空気を取り込み空気を輩出する仕組みのため、換気の代わりにはならないのです。同様に空気清浄機も換気の代わりはできません。有害物質を取り除くことにある程度有効と言えますが、機能に左右されてしまうため確実ではありません。空気清浄機を作動させていても、換気は必要です。

現在の建物は、昔に比べて気密性が高くなっています。夏は涼しく冬は暖かいので快適に暮らせますが、そのぶん換気に気を配る必要があります。

換気をしないとどうなる? 起こり得る健康リスクとは

換気を十分に行わないと、からだの不調につながるおそれがあります。ここでは、主に考えられる4つの不調を挙げてみました。

1.感染症

空気中のウイルスや細菌が増えると感染症にかかるリスクが高まります。たとえば、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなど、飛沫感染や空気感染で広まる感染症は注意が必要です。

2.アレルギーや喘息

花粉やカビ、PM2.5などを吸い込むことで、アレルギーや喘息を引き起こすおそれがあります。症状は目のかゆみや鼻水、くしゃみなどさまざまで、アレルギーから喘息に移行することもあります。
近年、よく耳にする「PM2.5」ですが、これは2.5μm(マイクロメートル:1mmの1/1000の大きさ)以下の微小粒子状物質の総称です。とても小さいため肺の奥まで入りやすく、喘息や気管支炎など呼吸器疾患にかかりやすくなります。

3.シックハウス症候群

家の壁紙や塗料などに使われている化学物質によって体調不良を引き起こすのが、シックハウス症候群です。粘膜を刺激するので、喉がヒリヒリしたり涙が出やすくなったりします。
代表的なものは「ホルムアルデヒド」ですが、最近では使用量が少ないものや吸着して無害化するものもあります。しかし、換気が不十分だとホルムアルデヒドが室内にこもり、不快な症状の原因になります。

4.酸素不足による不調

空気中の一酸化炭素や二酸化炭素が増えて酸素が少なくなると、頭痛や集中力低下につながります。換気が不十分な場所で火を使うと起こる「一酸化炭素中毒」は、血液中のヘモグロビンと一酸化炭素が結合することで、酸素が体中に行き渡らなくなる状態です。頭痛や意識障害、最悪の場合は死に至ることもあります。

こんなときどうする? 換気が難しいときの対処法

換気の重要性は分かっていても、なかなか換気ができない状況もあるかもしれません。そのような場合にどうしたらいいのか、対処法をまとめました。

1.花粉やPM2.5などの物質が気になる場合

花粉やPM2.5などの物質が外から入ってくることを気にして、換気を控える方もいると思います。しかし、換気をしないとこれらの物質は家の中を漂い続け、逆効果になることも考えられます。そのため、飛散量が少ない時間帯をねらって換気するようにしましょう。
花粉は、一日のなかでも時間帯によって飛散量が変わります。以下のグラフを見ると、午前中は比較的飛散量が少ないといえそうなので、このタイミングで換気をするとよいでしょう。また、レースカーテンをしたまま窓を数センチ開けて換気すると、花粉の流入量をグッと抑えることができます。

環境省「花粉症環境保健 マニュアル 2022|P.23 図3-2 花粉の多い時間帯(ダーラム法と自動計測器による観測)」を基に作図

なお、PM2.5の濃度は季節による変動があり、例年3月から5月にかけて濃度が上昇する傾向がみられます(※1)。地域によっても差があるため、気になる方は「環境省大気汚染物質広域監視システム」を参考にしながら換気するとよいでしょう。

2.真夏や真冬など、気温の変化が大きい場合

真夏や真冬は、せっかくエアコンで快適な室温に調整したのにもったいないように感じてしまうかもしれませんが、それでも換気は必要です。できるだけ室温を保つため、エアコンを稼働させたまま換気します。可能であれば、エアコンから離れた場所にある窓を開けると、エアコンにかかる負荷を減らせます。

3.梅雨の場合

梅雨で雨が降り続ける場合、いつ換気をすればいいのか迷ってしまいますよね。大雨の場合や風が家の中に吹き込むほど強い場合は無理をする必要はありませんが、そうでなければ雨の日も換気をすることをおすすめします。

雨の日に換気をすると、室内の湿度が高くなりカビの原因になりそうですが、実は室外よりも室内のほうが湿度の高いことがあります。晴れの日よりも短時間、かつ窓を開けるのも少しでよいので、換気をするようにしましょう。

効果的に換気を行うための注意点

換気は、ただ窓を開ければよいというものではありません。ここでは、より効果的に換気を行うためのポイントをまとめました。

30分に1回以上換気を行う

環境省では、新型コロナウイルス感染症対策のため、1時間に2回以上の換気を推奨しています。「30分に1回以上、数分間程度、窓は全開に」が目安です。(※2)

窓はできるだけ2カ所開ける

窓を2カ所開けることで、空気の通り道を作ることができます。また、窓と窓の距離が離れていると空気の通り道が長くなり、広範囲で換気することができます。

サーキュレーターや扇風機を活用する

窓がひとつしかない場合や短時間で換気を終わらせたい場合は、サーキュレーターや扇風機を活用し、強制的に風の流れをつくるようにしましょう。ドアの辺りに置いて、窓に向かって風が流れるようにすると、空気を効率的に外に出すことができます。

24時間換気システムを活用する

2003年7月に建築基準法が改正され、住宅などには24時間換気可能な機械換気設備が義務付けられています。24時間換気システムが設置されている場合は、常に作動させましょう。

まとめ

ウイルスだけでなく、普段の生活のなかにも空気が汚染されやすい要素はさまざまあります。こまめに換気を行い、新鮮な空気をお部屋に取り込むことは、健康な生活に欠かせません。
換気をしづらい時期もありますが、できるだけ負担を最小限にするコツを理解し、意識して行うようにしましょう。

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