お悩み対策 健康 病気

ドラッグストアで買えるステロイド薬 副作用と注意点を薬剤師が解説

kurashino

医療用医薬品である「リンデロン-V軟膏0.12%」「リンデロン-Vクリーム0.12%」はステロイドが主成分の塗り薬であり、皮膚科や小児科でよく処方されています。

これらと同成分の市販薬として2021年2月より塩野義製薬から販売されているのが、「リンデロンVs軟膏」「リンデロンVsクリーム」です。しかし、一般的にステロイドは「強い薬」「怖い薬」という印象が強いため、自己判断で購入・使用することに不安を感じる方もいることでしょう。

今回は、市販のステロイド配合薬を正しく使う方法を解説します。

ステロイド外用薬の使い分け

ステロイド配合の塗り薬は、正しく使い分けることで副作用を最小限に抑えることができます。

強さによる使い分け

ステロイドは、作用の強さにより5つのランクに分けられています。そして、ランクごとに適する症状や使用範囲がある程度決まっています。なお、市販されているのは下から3つ目の「strong」までです。
もっとも、強い作用を持つ薬であってもむやみにおそれる必要はありません。症状や部位に応じた適切な薬を選び、容量・用法を守って使用すれば、重篤な副作用が発生するリスクは低くなります。

▼ステロイドのランクと適する症状

ランク

市販薬の有無

適する症状例

strongest

(最も強い)

なし

手足のひどい湿疹、治りにくい湿疹など、症状が深刻、かつ範囲が狭い場合。

very strong

(とても強い)

なし

炎症が長く続いている場合や急にあらわれた炎症を早く抑えたい場合。

strong

(強い)

あり

赤く炎症を起こしている、虫に刺されかゆみが強い場合。肌荒れなど、皮膚ダメージに用いることも。

mild

(おだやか)

あり

軽い炎症や軽いかゆみがある場合。粘膜に近いなど皮膚の薄い部分や、幼い子どもに用いることも多い。

weak

(弱い)

あり

筆者作成

部位・年齢による使い分け

使用部位や年齢による使い分けも重要です。ヒトの皮膚の厚さは均一ではなく、薄い部分があれば、厚い部分もあります。皮膚が薄い部分は一般的にステロイドの吸収率が高いため、弱いランクのステロイドで十分な効果が期待できます。たとえば、ほおや首の前側、わきの下が挙げられます。また、皮膚の薄い赤ちゃんや子どもは、大人よりもワンランク下のステロイドを使うなどの配慮が必要ですが、医師の指示のもとで処方薬を使う場合はこの限りではありません。

成分以外の使い分けの目安

塗り薬には、軟膏やクリーム、ローションなどさまざまなタイプがあります。軟膏はどの部位でも使えますが、頭髪など毛量の多い部分はクリームやローションが適しています。一方、クリームやローションはべたつきが少なく使いやすいですが、ジュクジュクしているところに塗ると強い刺激を感じることがあるため、避けたほうがよいでしょう。

また、市販の塗り薬には、ステロイドだけではなくかゆみ止めや抗生剤が配合されているものもあります。「ステロイド+かゆみ止め」タイプは、炎症があってかゆみが特に強い場合に使用します。「ステロイド+抗生剤」タイプは、患部が化膿している場合に使います。ステロイドには炎症を抑える力がありますが、免疫系の働きを弱める作用もあるため、化膿している部分にステロイドのみを使用すると症状が悪化するおそれがあります。

▼皮膚の症状に応じた市販薬(ステロイド配合外用薬)の使い分け

皮膚の症状

効果が期待できる成分・タイプ

赤み・炎症が強い

ステロイド

赤み・炎症に加え強いかゆみがある

ステロイド+かゆみ止め

赤み・炎症のある部分が化膿している

ステロイド+抗生剤

筆者作成

ステロイド外用薬を上手に使うコツ

ステロイド配合の塗り薬を使用する際には、使い分け以外にも注意すべき点がいくつかあります。

用法を守る

塗り薬は、使用する回数を増やしても症状が良くなるわけではありません。用法を守ることが副作用の回避につながります。そして、症状がよくなってきた場合は塗る回数を段階的に減らすようにしましょう。弱いランクのステロイドや、ステロイド無配合の薬に切り替えるのもおすすめです。いきなり薬を中止してしまうのではなく、少しずつ薬から離脱していくと症状が再発しにくくなります。

適量を使用する

塗り薬は、塗る量が少なすぎると十分な効果が期待できません。そこで目安としてよく使われるのが「FTU(フィンガーチップユニット)」と呼ばれる単位です。

チューブタイプの塗り薬の場合、1FTUは大人の人差し指の先から第一関節まで薬を絞り出した量(約0.5g)です。この量はおおよそ大人の手のひら2枚分の面積に塗り広げられる量になります。これを目安に使用する量を決めましょう。

薬を擦り込まない

ステロイド配合の塗り薬は、1FTUを目安に十分な量を塗布するだけで効果が期待できます。擦り込む必要はありません。なお、薬を塗った部分をラップなどで密閉すると吸収率が高くなるため注意が必要です。オムツを使用している部位に塗布する場合もまた、薬の吸収率が高くなりがちなので、弱いランクのものかステロイド無配合の塗り薬を使うようにしましょう。

長期間使わない

5~6日使用しても症状が改善しない場合は、薬が合っていないことが考えられます。このような場合は医療機関を受診し、医師による診断・治療を受けてください。また、予防的な使用も避けたいところです。皮膚の抵抗力が落ちて感染症などをまねくおそれがあるため、症状のある部分のみに使用するようにしましょう。

広範囲に使わない

市販薬は広範囲に使うことを想定していません。顔の場合は500円玉硬貨大以上、その他の部位は手のひら2枚分以上の範囲には塗らないようにしましょう。この範囲を超えて薬を塗る場合は、副作用を未然に防ぐため医療機関に受診することをおすすめします。

適切な使用が副作用防止に役立ちます

極端な話ですが副作用のない薬はありません。市販薬であっても副作用が生じることはあります。だからといって「薬を使用すれば必ず副作用が生じる」というものでもありません。
アレルギーなど避けることが難しい副作用もありますが、多くの場合、薬を適切に使用すれば副作用の発生は最小限に抑えられます。また、市販薬は家庭内で共用することが多いため、家族全員で情報を共有することも大切です。そして、お子さんが使用する場合は、誤った使い方をしないよう保護者がきちんと管理することが大切です。

とはいえ、市販薬に頼りすぎるのはよくありません。市販薬であっても長期間使用し続けると副作用が発生することもあります。適切に使用しても症状の改善が見られない場合は、早めに医療機関による治療を受けましょう。

HOT

-お悩み対策, 健康, 病気