お悩み対策 健康

冷え性の原因と対策は? 体質改善の方法は? 看護師が詳しく解説

kurashino

「手足が冷えて、なかなか眠れない」「人よりも厚着しないと、からだが冷えてしまう」のように、からだの冷えをつらく感じる冷え性は女性に多くみられます。また、冷え性は冬によくある症状と思われがちですが、実は夏でも感じる人がいます。夏なのに冷えを感じるのは、どのような原因があるのでしょうか?

今回は、夏場の冷え性を中心に、その原因や対策を紹介します。普段から冷え性に悩む方の参考になれば幸いです。

冷え性とは? なぜ女性に多いのか

冷え性とは、医学的にはっきりとした病名ではなく、明確な診断基準もありません。「人が寒さを感じない温度でも手足などが冷えてつらいと感じる」ことなので、冷え性かどうかはその人の自覚症状によります。

冷え性というと女性に多いイメージがありますが、それはデータにも現れています。以下のグラフは、人口1,000人に対し、何人が「手足の冷え」に対する自覚症状を持っているのかを性別と年齢別で表したものです。年齢が上がるにつれ、男性でも症状を持つ人が増えていますが、女性のほうが多いことが分かります。

厚生労働省「平成25年 国民生活基礎調査の概況|P45. 第9表 性・年齢階級・症状(複数回答)別にみた有訴者率(人口千対)」の情報を基に作図

冷え性が女性に多いのは男性より筋肉量が少なく、作れる熱の量が少ないためです。そのため、女性と冷え性は切っても切れない関係にあります。

夏場の冷え性の原因

夏場の冷え性の原因は、主に以下のものがあります。

1.冷たい飲み物

暑いとつい冷たい飲み物を飲んでしまいますが、多く飲むとからだの内側から冷える原因になります。

2.エアコンによる涼しすぎる室温

オフィスや公共交通機関はエアコンが効きすぎていることも多く、自分に合った室温に調整するのも難しいため、からだが冷えてしまいます。

3.薄着

暑い日はノースリーブやスカートなど肌の露出が多い服装になることが増えます。そうすると、熱が必要以上に外へ放出されてしまいます。

4.湯船につからずシャワーで済ませる

普段は湯船につかる習慣があっても、夏はシャワーで済ませる方は多いのではないでしょうか。シャワーではからだを内側まで温めることが難しく、シャワーの後にからだが冷えてしまうこともあります。

 

このように、夏であっても冷え性を引き起こす原因はさまざまあります。

冷え性と不快な症状の関係。病気が隠れている場合も

冷え性そのものもつらいですが、これに関連してさらに不快な症状や病気が隠れていることも考えられます。よくある症状ではあるものの、放っておくとさらに不快な症状や病気につながることもあるため、何かしらの対策が必要です。

1.頭痛や肩こり

冷えを感じると、無意識でからだが縮こまってしまいます。すると、筋肉が緊張し、頭痛や肩こりの原因になります。

2.生理痛の悪化

女性の悩みの種になりやすい生理痛ですが、冷えと関連しています。生理の前になると、プロスタグランジンという物質が分泌され、子宮の収縮を促します。この物質は血管も収縮させるため、血流も悪くなり冷えにつながります。

3.自律神経の乱れ

自律神経とは意思に関係なく働く神経で、「交感神経」と「副交感神経」に分けられます。交感神経と副交感神経は、常にバランスをとりながら私たちのからだを調整していますが、何らかの原因で乱れるとさまざまな不調を引き起こします。その一つの原因になるのが、冷え性です。からだが冷えて血管が収縮すると交感神経が優位になります。この状態が続くと、自律神経のバランスが悪くなり、だるさやめまい、イライラなどの症状が出てくる場合があります。

4.免疫力の低下

急に寒くなると風邪をひきやすくなりますが、それは体温調整がうまくいかず免疫力が低下したことが原因のひとつにあります。免疫が適切に働くためには、体温が最適の状態に保たれている必要があります。冷え性で血流が悪いと、免疫細胞が体中に行き渡らなくなり、免疫力が低下する原因になります。

5.病気

冷え性の原因に、病気があります。たとえば、皮膚や内臓などに炎症を起こす膠原病の症状に、冷えやこわばりがあります。甲状腺機能低下症(橋本病)になると、代謝が低下するため冷えを感じやすくなります。

夏場の冷え性対策と予防法

夏場とはいえ、冷えやすい原因もさまざまにあるので油断できません。ここでは冷え性を改善するために生活で気を付けたいポイントや予防法をまとめました。

1.冷たい飲み物ばかり飲まない

真夏に冷たいものを飲みたくなるのは当然です。冷たい飲み物は体温を下げて熱中症予防になるので、理にかなっています。しかし、常に飲んでいると冷える原因になります。たとえば、暑い屋外にいるときや運動後は冷たい飲み物を飲んでも、朝起きた後や寝る前には常温か温かい飲み物にするなど、そのときの状況にあわせて変えるとよいでしょう。

2.食事内容を見直す

上記と同様に、食事の温度も大切です。冷たいものを食べる機会が多くなりますが、温かいメニューもとるように意識しましょう。また、栄養バランスのとれた食事も重要です。なかでもタンパク質は、筋力の増強や熱の発生に関係しているので、しっかりとるようにしましょう。スパイスのなかには体温を上げる作用を持つものもあるので、好みに合わせて取り入れてみてください。

3.運動をする

運動することで、血流がよくなり、冷え症の解消につながります。筋力がつけば熱の発生を助けるので、さらに効果的です。定期的な有酸素運動が理想ですが、忙しくて時間がとれない場合はすきま時間にストレッチをするだけでも、からだがポカポカしてくるのでおすすめです。

4.しっかり湯船につかって入浴する

温かいお風呂につかることでからだを温めることができ、さらに血流がよくなることで冷えを緩和できます。しかし、人によって入浴時間はさまざまで、どのくらいつかれば効果があるのか分かりにくいものです。
一つの指標となるのが、環境省が推奨する「HSP(ヒートショックプロテイン)入浴法」をです。この入浴法は、HSPというタンパク質を増やすことで、免疫力アップや冷えの改善が期待できるものです。湯船の温度に合った入浴時間で温まり、その後10~15分はからだを保温します。夏場は、40℃のお湯に15分程度つかってもいいようです。もちろん、数値は目安です。体調が悪いと感じたときや、普段湯船につかる時間が短い人は無理をしないようにしましょう。また、入浴前後には水分補給を行いましょう。

環境省 「COOL CHOICE WARMBIZ 「身体の芯まで温まる入浴法」を実践。」より転載

5.体温を調整できる服装や便利グッズを取り入れる

自宅の室温は調整できますが、外出先では難しいことも考えられます。そのような場所では、ストールやカーディガンなど寒いときにサッと羽織れるものを準備しておきましょう。
最近では、腹巻タイプのレギンス、おしゃれで便利な機能が付いた湯たんぽや靴下など、さまざまなアイテムが発売されています。自分の好みやライフスタイルに合わせて選びましょう。

6.改善されない場合は、病院を受診する

冷え性には病気が隠れている場合もあります。これらの対策を試してみても、なかなか改善されない場合には、早めに病院を受診しましょう。

まとめ

夏場であっても、冷え性の原因は身近にたくさんあります。気になっている方は、油断せずに夏でも対策をしてみてください。冷え性は、「これをすれば必ずよくなる」というものではなく、改善するまでには時間がかかります。普段の生活で無理なくできるものから取り入れて習慣化し、冷え性のない快適な毎日を過ごしましょう。

HOT

-お悩み対策, 健康