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女性をねらう健康食品や化粧品の「コンプレックス広告」 トラブル対処法は?

kurashino

「飲むだけでみるみる痩せる」「シミがペリッとはがれた!?」など、身体のコンプレックスを瞬時に解消してくれるような広告をインターネット上でよく目にします。美容にいっそう気をつける世代になると、つい注目してしまうことでしょう。
また、「いまだけ500円」など表示しておきながら実際には定期購入が前提条件であることを説明していなかったり、わかりにくくしていたりする例も見られます。

さらに悪質なものになると、個人が持っている身体的なコンプレックスをあおるようなストーリーを紹介して商品の購入を勧める「コンプレックス広告」も存在しており、行政機関が厳重警告を出す事態にも発展しています。

広告への苦情とJAROによる厳重警告

JARO(日本広告機構)が発表した2020年度の広告審査状況によると、広告に関する相談の総受付件数は約1万5100件、5年連続で最多を更新しました(※)。このうち「苦情」は1万1000件以上にものぼり、「実際に購入したら広告とは違う高額を要求された」「購入した商品に広告のような効果がなかった」という、表示に関する苦情がもっとも多くなっています。

JARO 公益社団法人日本広告審査機構ウェブサイト「2020年度の審査状況」を基に作表

悪質とみられる広告はネット上にも多く、JAROは悪質な広告に対し、2020年4月から広告を直ちに削除・修正するよう求める「厳重警告」という措置を新設しました。2020年度に「厳重警告」の対象になった広告の一例として、下記が挙げられます。

・「飲むだけでみるみる痩せる」とうたっているが、アフィリエイトサイトで痩身の根拠として掲載されたのは人工肛門の論文を加工したと思われるものであり、「初回限定価格500円」は5回購入が条件であり、表示が分かりにくいものだった

・「特許成分の○○なら10分で体の中から消臭」「今だけ500円」などとうたっていた

・「ステロイド頼りだったアトピーがせっけんを変えただけで?」などとアトピーに効くような内容をうたっていた

・飲むだけで痩せる、返金保証、6日分500円とあったが定期購入契約になっており、解約を申し出ても1年間継続購入しないと解約できないという健康食品

引用:2020年度の審査状況(HTML版) | JARO 公益社団法人 日本広告審査機構

こうした表現に近い広告は、誰もが一度は目にしたことがあるでしょう。景品表示法には「優良誤認表示の禁止」という項目があり、商品やサービスについて以下のような表示を禁止しています。

  • 実際のものよりも著しく優良であると示すもの
  • 事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの

しかし、近年目にする広告のなかには、効果を裏付ける情報がない、あるいは「いまなら」などのうたい文句で購入を急かすものが非常に多くなっており、社会問題化しています。

アフィリエイト広告をめぐる問題

広告表現の過激化の背景のひとつに、アフィリエイト広告があります。
「アフィリエイト広告」とは、インターネット上でブログなどを運営する人がそこに広告を載せ、クリック数などに応じて報酬を受け取れるというものです。たとえば、下記のような広告バナーを見たことはありませんか。

消費者庁ウェブサイト「その話、本当? アフィリエイト広告ってなに?」の情報を基に作図

こうした広告の表示にあたっては、あいだに仲介会社が入り、サイトの運営者と広告主のマッチングを行っています。その結果、広告作成に企業がタッチせず、代理店やアフィリエイター(ブログなどの運営者)に完全に任されているケースが多くなっています。

アフィリエイターはより多くのクリック数を稼ごうとするため、人の目をひきやすい広告をつくります。そうなると、企業が知らないところでウソの体験談を交えた虚偽誇大広告が掲載されることにもつながり、自社の広告なのに、どのような内容で出回っているのか、管理しきれないということが起こります。これがトラブルの元凶です。

大手ポータルサイトも規制に乗り出す

こうした過度な表現の広告については、大手ポータルサイト「ヤフー」が掲載不可にすることを公表しています。具体的にはこのような表現が含まれているものです。

・交際している相手から、太っていることが原因で別れを切り出されたが、痩せたことによって、別れることなく、以前のような関係に戻った。

・友人から体毛が濃いことは不潔なので、体毛をなくしたほうがよいと勧められた。

・自分がモテないことを友人に相談してみると、髭が濃いことが原因だと言われた。

引用:7. ユーザーに迷惑となる広告の禁止【第9章3.4.関連】 - ヘルプ - Yahoo!広告

こうした身体の一部に対するコンプレックスを露骨にあおる広告手段は「コンプレックス広告」として社会問題化しています。なかには、景品表示法の問題をはらむものも多く見られます。

「リスキーな心理傾向」を知り、リテラシー向上を

消費者庁はこうした過激な広告の被害にあってしまう人の「リスキーな心理傾向」を以下のように分類しています。

消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会 報告書|P130 表8-2 リスキーな心理傾向を測るための 15 項目」より転載

また、優良誤認などで被害にあうのは若者が多いとして、商品購入の際には以下のような点に注意すべきだとしています。誰もが注意すべき点として、知っておきたいところです。

消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会 報告書|P129 表8-1 購入・契約の判断を行う際に若者が用いる6つの視点と警戒すべき内容)」より転載

まずは、あまりに過激な広告は疑ってみること、クーリングオフを意識すること、ここでご紹介したようなアフィリエイト広告のうたい文句には注意することが大切です。

「おいしすぎる話は一度疑う」。自分を守るには、そういった視点が必要です。

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