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【薬剤師が解説】糖尿病など怖い病気が潜むリスクも 「こむら返り」の原因と対処法

kurashino

運動中や就寝中に突然足がつり、あまりの痛みに動けなくなってしまった経験はありませんか?

足のつり=こむら返りは、筋肉のけいれんの一種です。「こむら」とはふくらはぎのことで、その名のとおり、ふくらはぎに起こることの多い症状ですが、実はからだじゅうどこにでも生じうる症状です。

運動時や睡眠中に、ふくらはぎや足の裏、すね、もも、足の側面に起こりやすいものの、痛みは一過性で数分のうちに治まります。しかし、自動車の運転中や水泳をしているときにこむら返りが起きると重大な事故につながりかねません。病気が原因で発生することもあるため、頻繁に起きる場合は注意が必要です。

今回は、こむら返りの原因と起きてしまった場合の対処法、さらには予防に役立つ生活上の注意点を解説します。

こむら返りの原因

こむら返りは、年齢に関係なく発症しますが、加齢にともない増える傾向にあります。その原因は、水分やミネラルの不足、筋肉の疲労、血行不良や神経の障害などが考えられており、特に筋肉の収縮や神経の伝達に大きな役割を果たすミネラルの不足には注意が必要なものの、原因をピンポイントで特定するのは難しいとされています。また、糖尿病など病気の影響で生じることもあります。

下表は、こむら返りをまねくおそれのある因子をまとめたものです。飲酒や運動不足など生活習慣の改善で取り除ける因子もあるので、心あたりがある場合は日常生活を見直してみましょう。

▼こむら返りをまねくおそれがある因子(例)

因子

こむら返りが起きやすくなる理由

運動

脱水、ミネラル不足、筋疲労

加齢

血行不良や冷え、脱水傾向、筋肉や神経の衰え

運動不足

筋肉の衰えや血行不良

からだの冷え

血行不良(エアコン下や冬場に多い)

脱水

運動中や就寝中の発汗、下痢による水分不足

妊娠

ミネラル不足

飲酒

利尿作用による脱水

病気

甲状腺の病気、糖尿病、筋肉の病気、肝臓の病気、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脳梗塞など神経障害をともなう病気、閉塞性動脈硬化症など血行不良をともなう病気、透析

こむら返りの対処法と日常生活での注意

こむら返りを起こしている部分は、筋肉が強く収縮してけいれんを起こしている状態になっています。この収縮をやわらげれば痛みは治まりますので、ゆっくりと筋肉を伸ばしてください。ただし、一気に伸ばすと筋肉が傷つき、肉離れを起こしてしまうこともあります。あわてず、慎重に行うことを心がけましょう。

こむら返りを解消するにはいくつかパターンがあります。下図を参考に、ご自身にあった対処法を見つけておきましょう。

日常生活では、食事や運動だけではなく、こむら返りを起こしにくい環境づくりも大切です。いくつかのポイントを紹介します。

食事はミネラルを意識して

食事は栄養バランスに配慮しましょう。特にミネラルの摂取は重要です。こむら返りの予防のために、マグネシウム、カルシウム、カリウムを積極的にとるようにしましょう。

ミネラルの種類

働き

多く含む食品

カルシウム

筋肉の収縮や神経の伝達を円滑にする。

乳製品・大豆製品・骨まで食べられる魚(シシャモ・シラスなど)

カリウム

イモ類・果物など

マグネシウム

カルシウムとカリウムのバランスをとる。

海藻類・ナッツ類など

適度な水分摂取

運動中は、発汗によって脱水を起こしやすい状態になっています。こまめに水分を摂取してこむら返りを予防しましょう。スポーツドリンクを飲めば、ミネラルも同時に補給できます。ただし、糖分のとり過ぎには注意しましょう。
なお、寝る前に水分をとる場合は、コップ1杯程度にとどめるようにしましょう。カフェインやアルコールなど利尿作用のあるものは避け、水や麦茶などで水分を補うのがおすすめです。

からだを冷やさない工夫

からだの冷えが気になる場合は、エアコンの温度設定を見直しましょう。勤務先などで温度設定を変えるのが難しい場合は着衣を工夫して、からだを冷やさないようにすることが大切です。ただし、締め付ける力が強い靴下やストッキングは、血行不良をまねくおそれがあります。可能であれば、締め付け感の少ないレッグウォーマーなどを利用しましょう。また、ときどき立ち上がってストレッチをするなど、からだを軽く動かし血行を良くすることも予防に役立ちます。

運動時の注意点

運動を始める前にストレッチなどをして筋肉をほぐしておくと、こむら返りを起こしにくくなります。長時間歩く場合は、筋肉の疲労を防ぐために歩きやすい靴を選ぶようにしましょう。

就寝時の予防法

寝ているときにこむら返りを起こしやすいという方、掛け布団が重くありませんか? 布団が重いとからだを動かしにくく、寝返り時に足にかかる負担がこむら返りを起こす原因になっていることが考えられます。寝返りを打ちやすい軽い掛布団に変えてみるのも予防に一役買うでしょう。

こむら返りが頻繁に起きる場合は医療機関に相談を

こむら返りは、強い痛みをともなうものの命にかかわる症状ではありません。しかし、背後に重大な病気が隠れていることもあります。こむら返りを頻繁に起こす場合は、医療機関を受診して医師の診断を受けるようにしてください。

▼こむら返りを起こすことがある病気とその症状(例)

甲状腺の病気

首の圧迫感、違和感、はれ 

糖尿病

のどの渇き、手足のしびれ 

筋肉の病気

からだが動かしにくい 

肝臓の病気

全身がだるい 

脊柱管狭窄症

閉塞性動脈硬化症

歩くと足にしびれが生じるが、しばらくするとまた歩けるようになる

椎間板ヘルニア

腰の痛み

腎臓の病気

むくみ

脳梗塞

片側の手足のまひ、ろれつが回らない 

病気が原因でこむら返りが起きている場合は、病気の治療がこむら返りの予防につながります。「たかが、こむら返り」とあなどらず、適切な治療を受けるようにしましょう。

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