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風邪薬で眠くなるのは困る! 休めない方のための薬の選び方

kurashino

風邪をひいて体調がよくないときは、仕事や家事を休んでしっかり治したいものですが、なかなかそうはいかないのが現実でしょう。
「リビングくらしHOW研究所」の調査によると、7割以上の人が風邪薬や解熱鎮痛剤を常備しています。初期症状にもよると思いますが、「できることなら病院に行かず、市販薬で症状を抑えよう」と考えている人が多いのではないでしょうか。

リビングくらしHOW研究所「常備薬についてのアンケート|Q1 あなたの家庭で常備している市販薬、衛生用品を次の中から選んでください。」の情報を基に作図

その一方で、仕事をしている人のなかには「眠気が出ると困るから」との理由で、日中に風邪薬を飲むことを避けている人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、眠気が起きやすい風邪薬の成分について説明のうえ、症状に応じた眠くなりにくい薬の選び方、さらに、どのような場合に医療機関を受診すればよいのかについて解説します。

風邪薬で眠くなりやすい成分は、主に3種類

市販の風邪薬に含まれる成分のうち、鼻水などに効果が期待できる抗ヒスタミン剤は、眠気の副作用を起こしやすい成分です。そのほか、咳止めの成分や、解熱鎮痛薬の効果を高める成分などで眠気が出ることがあります。

抗ヒスタミン剤

鼻水やくしゃみなどに適用がある成分です。そのなかでも、「第一世代」に分類されるものは、服用すると眠気の副作用が出ることが多くなっています。市販の総合感冒薬などに含まれる抗ヒスタミン剤の多くは第一世代のものですが、メキタジンは「第二世代」の抗ヒスタミン剤で、眠気などの副作用が比較的生じにくくなっています。

咳止めの成分

咳止めの成分も、眠気の副作用を起こすことがあります。とくに、コデイン類は眠気の副作用が強くあらわれることがあります。

解熱鎮痛薬の効果を高める成分

ブロモバレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素は、解熱鎮痛薬の効果を高める成分として配合されていることがあります。これらはいずれも鎮静効果があり、眠気が生じることも少なくありません。

市販薬に含まれる眠気の出やすい成分と特徴など

抗ヒスタミン剤(総合感冒薬、鼻炎薬などに配合)

  • クロルフェニラミンマレイン酸
  • クレマスチンフマル酸
  • マレイン酸カルビノキサミン
  • ジフェンヒドラミン塩酸塩
  • ジフェニルピラリン塩酸塩
  • メキタジン など
  • ジフェンヒドラミンは、催眠鎮静薬にも使用されることがある。
  • メキタジンは眠気が比較的生じにくい。

咳止めの成分(総合感冒薬、咳止めなどに配合)

  • ジヒドロコデインリン酸塩
  • デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
  • ノスカピン など
  • コデイン類は、眠気のほか便秘の副作用も生じやすい。

解熱鎮痛薬の効果を高める成分(解熱鎮痛剤に配合)

  • ブロモバレリル尿素
  • アリルイソプロピルアセチル尿素 など
  • ブロモバレリル尿素は、催眠鎮静薬にも使用されることがある。

【症状別】眠気が生じにくい薬の選び方

総合感冒薬は、風邪のさまざまな症状に対応するために、眠気を起こしやすい成分を数種類含んでいることがあります。そのため、眠気をおさえたい場合には、症状をピンポイントでおさえる薬を利用し、副作用が起きやすい成分を避けるのがおすすめです。

市販の総合感冒薬1種類に含まれる成分の例

成分

期待される効果

眠気について

アセトアミノフェン

解熱鎮痛作用

眠気が出にくい

クロルフェニラミンマレイン酸塩

鼻の症状をおさえる

眠気が出やすい

アンブロキソール塩酸塩

痰を出しやすくする

眠気が出にくい

L-カルボシステイン

気道の粘膜などを正常な状態に近づける

眠気が出にくい

ジヒドロコデインリン酸塩

咳をおさえる

眠気が出やすい

リボフラビン(ビタミンB2)

消耗しやすいビタミンを補給

眠気が出にくい

熱や喉の痛みがあるとき

発熱や喉の痛みがつらい場合は、解熱鎮痛剤で症状をやわらげることができます。ただし、解熱鎮痛剤には、眠気を生じやすいブロモバレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素が配合されていることがあるので、注意が必要です。
喉のはれをおさえたい場合には、抗炎症作用のあるトラネキサム酸を含む薬もおすすめです。また、アズレンスルホン酸ナトリウムを含むトローチやうがい薬、スプレーなども、喉のはれや痛みの緩和に効果が期待できます。

鼻水などの症状があるとき

鼻水などの症状をおさえたい場合には、第一世代の抗ヒスタミン剤より眠気が生じにくいメキタジン入りの薬を選ぶようにしましょう。そのほか、漢方薬も有効です。鼻水や鼻づまりに効果が期待できるものとしては、「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」などがあります。

咳があるとき

眠気を抑えるには、コデイン類の入っていないものを選ぶとよいでしょう。ただし、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物やノスカピンでも、眠気が生じることはあります。
眠気を避けたい場合は、漢方薬がおすすめです。咳止め効果が期待できるものとして、「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」「五虎湯(ごことう)」などがあります。

眠気が出やすい成分を使用するときは......

やむを得ず眠気が出やすい成分を使用する際には、「無水カフェイン」が配合されている製品を選ぶとよいでしょう。無水カフェインは、鎮痛効果を補助するために配合されていることがありますが、眠気をおさえる効果も期待できます。
ただし、眠気が生じる場合を踏まえ、自動車の運転や危険な機械の操作、高所での作業など、危険をともなう作業は行わないでください。

症状が長引く場合・高熱がある場合は医療機関の受診を

最後に、医療機関を受診するタイミングについて解説します。
まず、市販の風邪薬を飲んでも、「症状が改善しない場合」「高熱(平熱+1度以上)が続く場合」「家族がインフルエンザなどの感染症にかかっている場合」には、医療機関を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。

薬の効果が期待できないにもかかわらず、漫然と薬を飲み続けると、症状がかえって長引いたり、ほかの重大な病気を見落としたりする場合があるからです。なお、眠気が出ると困る場合には、受診時に医師に伝えると考慮してもらえます。

また、以下の方は、風邪にかかると重症化するおそれがあります。また、こういった人が身近にいる場合も、早めに医療機関を受診して感染の拡大を防ぐ必要があります。

  • 高齢者
  • 病気などで抵抗力が落ちている人
  • 妊娠中の人
  • 幼い子ども

風邪をひいたら症状が軽いうちに治療を開始して、自分だけではなく家族など大切な人たちを守るようにしましょう。

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