健康 病気

子宮頸がんは早期発見が重要! 病気の概要と予防法について

kurashino

がんと聞くと50代以降に多いイメージがあるかもしれません。しかし、若い人に増えているがんもあります。そのひとつが、「子宮頸がん」です。

子宮頸がんは、初期の段階では無症状のことが多く、放置していると手遅れになることもあります。

そこで今回は、子宮頸がんの概要と原因、その症状と経過に加え、検査方法と治療法、さらには予防方法について、まとめました。子宮頸がんへの理解を深め、自分自身の健康管理に役立てましょう。

子宮頸がんとは? 患者数の推移と原因

子宮頸がんとは、子宮の下部にある子宮頸部に生じるがんです。

近年、子宮頸がんは若い人に増えています。20代後半から増加し、40代の発症がピークとされています。

政府統計の総合窓口「全国がん登録 全国がん登録罹患数・率 全国 年次 2017年」の情報を基に作図

国立がん研究センター(※1)によると、年間1万1,000人が子宮頸がんを発症し、2018年には、2,800人余りが亡くなっています。

子宮頸がんの原因は、ほとんどが性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。感染しても90%は免疫によって自然に排除されますが、10%は長期間子宮内にとどまります。(※2)

子宮頸がんの症状と経過

子宮頸がんは、早期の段階では症状がほとんどありません。そのため、発見が遅れがちです。病状が進行すると、以下のような症状があらわれます。

  • 不正出血(生理でないのに出血する)
  • 性交時の出血
  • おりものの量が増える
  • 下腹部痛

ヒトパピローマウイルスが自然に排除されない場合、異形成(子宮頸がんの前の段階)から数年以上を経て子宮頸がんになります。

はじめは、「上皮内がん」といって粘膜の表面だけにがん細胞がありますが、進行すると周囲にまで広がる「浸潤がん」になります。さらに病状が進むと、肺や骨など他の臓器に転移してしまいます。

子宮頸がんの検査方法

まず、子宮頸部の細胞診検査を行います。子宮頸部の粘膜をブラシなどでこすり、採取した細胞を顕微鏡で見て異常がないかをチェックします。これは、子宮頸がん検診で行う検査と同じです。

細胞診検査で子宮頸がんの疑いがあれば、さらに詳しく検査をします。コルポスコピーと呼ばれる拡大鏡で見ながら組織を採取し、病理組織検査を行います。

子宮頸がんと診断されたあとは、内診や直腸診、CT(X線を用いてからだの断面を撮影する)、MRI(磁石の力を利用し、さまざまな角度からからだの断面を撮影する)などによる検査を行い、がんがどのくらい広がっているのか、また転移していないかを確認します。

子宮頸がんの治療法

子宮頸がんの治療法は、「手術療法」「化学療法」「放射線療法」の3つです。

手術療法

がんの進行具合や出産希望の有無によって、手術の方法が異なります。
初期の段階で出産希望がある場合は、子宮頸部円錐切除術を行います。がんのある子宮頸部のみを切除し、子宮は残す方法です。出産希望がない場合には、子宮全摘出を行います。
がんの前段階である異形成では、レーザーで部分的に焼くという治療法もあります。

残念ですが、出産の希望があっても、がんが進行していれば子宮全摘出を行います。病状によって摘出する部位は異なりますが、子宮のみならず卵巣やリンパ節など広範囲で摘出することもあります。

化学療法

抗がん剤を投与し、がん細胞の増殖を抑えたり死滅させたりします。

放射線療法

放射線をがんのある部位に当て、がん細胞にダメージを与えます。

これらの治療法は、どれかひとつだけを行うのではなく、それぞれの状況に合わせて、手術をしたあとに化学療法を行う、化学療法と放射線療法を行う、のように複数を組み合わせることもあります。

子宮頸がんの予防法と対策

子宮頸がんは命をおびやかすのはもちろん、「出産」という女性のライフイベントを奪う病気です。可能な限り予防するために、私たちができることをまとめました。

子宮頸がん検診を受ける

子宮頸がんの特徴は、初期に自覚症状がほとんどないことと、がんに移行するまでに年月がかかることです。そのため、定期的に子宮頸がん検診を受け、早期発見につなげることが大切です。

子宮頸がん検診は、20歳以上の人で2年に1回受けることが推奨されています。ほとんどの自治体で補助があるため、少ない自己負担で受けられます。しかし、日本の子宮頸がん検診の受診割合は42.1%と、他国に比べて低いというデータがあります。

厚生労働省 「平成30年度 がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン」の情報を基に作図

なお、子宮頸がん検診の有効性は証明されており、80%程度の死亡率減少効果があるといわれています。(※2)
また、国立がん研究センターによると、子宮頸がんの3年生存率(相対生存率)は、以下のとおりです。発見が早ければ早いほど生存率が高いことが分かります。

子宮頸がんの3年生存率(相対生存率)

Ⅰ期

Ⅱ期

Ⅲ期

Ⅳ期

97.2%

85.9%

71.2%

32.8%

国立がん研究センター「がん診療連携拠点病院等院内がん登録生存率集計」の情報を基に作表

さらに、子宮頸がんが早期に発見されれば子宮を残せる可能性が高まります。子宮頸がんを早期に発見するために、まずは子宮頸がん検診を受けましょう。

禁煙する

一見関係がなさそうに思われますが、タバコと子宮頸がんの関連性が指摘されています。
タバコは、肺がんや食道がんの危険因子として知られていますが、子宮頸がんの原因にもなります。喫煙習慣がある人は、意識して減らすようにしたり、禁煙外来を活用して禁煙に取り組んだりしましょう。

症状があるときは早めに病院を受診する

不正出血や下腹部痛は、頻度がそれほど多くなければ様子をみてしまいがちな症状です。仕事や家事で忙しいと、なおさら病院から足が遠のいてしまうかもしれません。しかし、もし子宮頸がんだった場合、症状があるということは病状が進んでいるということです。異常を感じたら、念のため病院を受診するようにしましょう。

HPVワクチンを接種する

子宮頸がん検診とあわせて有効な予防法といわれているのが、HPVワクチンです。
ヒトパピローマウイルスは多くの種類がありますが、なかでもHPV16型とHPV18型の発がん性が高いため、ワクチンを接種することで予防を目指しています。

現在、厚生労働省では、HPVワクチンの積極的な接種は勧めていません。これは、手足のしびれや全身の脱力など、副反応が問題となったためです。しかし、定期接種の対象となっており、標準的な接種は中学1年生となる年度に合計3回の接種を行います。自費にはなりますが、成人した女性も接種できます。

ただし、HPVワクチンを接種したあとも、定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。HPVワクチンで完全に予防できるわけではないため、子宮頸がん検診を受けることで、予防の精度が上がります。接種する場合は、副反応やリスクに関する情報を得て、理解してから接種するようにしましょう。

まとめ

子宮頸がんは、早期発見できれば治療できる病気です。子宮頸がん検診やHPVワクチンの接種など、対策もあります。子宮を残せる可能性も高まるため、自分でできる対策を行い、早期発見に努めましょう。
仕事や家事などで忙しい日々を過ごしていることと思いますが、自分のからだに意識を向け、健康的な生活につなげることが何よりも大切です。

※「令和2年度平均年収と学歴調査

【参照サイト】

※1 子宮頸がん 基礎知識:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]
https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/

※2 厚生労働省 「健康日本21 がん」
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b9.html

HOT

-健康, 病気