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健康食品のウソ・ホント 「私はこれで健康になりました」を信じていいの?

kurashino

スーパーやドラッグストア、通販など、巷にあふれている健康食品。テレビCMで見かけたり、友人から勧められたりした経験があるという方も多いのではないでしょうか。

健康食品の体験談を見ていると、「私はこれで健康になりました」「調子が良くなりました」という声が多くて、これなら効くかもしれないと感じることもあるかもしれません。特定のものを飲んだり食べたりするだけで、体の悩みが解決されるのなら、こんなに楽なことはないでしょう。

しかし、糖尿病専門医であるHDCアトラスクリニック院長の鈴木吉彦先生は、「健康食品をとったからといって、必ずしもその効果があるわけではありません」といいます。今回は鈴木先生に、健康食品のウソとホントについてお聞きしました。

健康食品とは?

健康食品とは、一般的には健康を維持・増進の助けになるとされている食品の総称です。サプリメントやドリンク、栄養補助食品などさまざまな製品が販売されていますが、こうした分類は法律で定められているものではありません。一般的な食品は通常、「〇〇の効果がある!」と表示して販売することは禁止されています。

健康食品と呼ばれるもののうち、法律によって特定の機能性を表示することが、認められているものは「保健機能食品」のみとなります。保健機能食品は、その内容によって「特定保健用食品」「機能性表示食品」「栄養機能食品」の3つがあります。

これらの保健機能食品に当てはまらない健康食品に関しては、特定の機能性を表示することはできません。

特定保健用食品(トクホ)

特定保健用食品は、「食生活において特定の保健の目的で摂取する者に対し、その摂取により当該特定の保健の目的が期待できる旨の表示を行うもの」と法律で定義されています。いわゆる「トクホ」と呼ばれる健康食品が、これに当たります。

もう少し簡単に説明すると、「お腹の調子を整える」「血糖の吸収を穏やかにする」「血圧が高めの方に」など特定の効果が期待できることを、国が審査して表示を許可した食品、ということです。

国から認められた成分を含む製品には、「消費者庁許可 特定保健用食品」と書かれたマークがついています。

一部の病気のリスクを下げる効果が医学的・栄養学的に確立されている成分については、その病名について表示することが認められています。現時点では、カルシウムや葉酸がこれに当たります。カルシウムは骨粗鬆症を、葉酸は生まれてくる子どもの神経管閉鎖障害(二分脊椎など)のリスクを下げるとされている成分です。

機能性表示食品

機能性表示食品は、トクホと同様に、健康の維持や増進に役立つことが期待できるという、食品の機能性を表示した食品です。2015年に新たに制度として加わりました。

トクホと違う点は、トクホは国の許可が必要なのに対して、機能性表示食品は届け出のみで、事業者の責任で表示をするというところです。臨床試験や、すでに行われている研究の調査によって機能性を評価し、それを届け出るという形になっています。
届け出の内容は、消費者庁のホームページに掲載されています。

栄養機能食品

栄養機能食品は、ビタミン、ミネラルなど特定の栄養素を補給するための食品です。科学的根拠が十分にあって、定められた量の範囲内であれば、届け出などをしなくても表示することができます。
栄養素の名前や機能性のほか、「日本人の食事摂取基準」に基づく1日の摂取量の目安や、摂取する上で注意すべきことについても明記する必要があります。

健康食品をとれば薬はいらない?

「血糖の吸収をおだやかにする」
「脂肪の吸収をおだやかにする」
「血圧が高めの方に」

そんなフレーズがついた健康食品なら、これをとれば血糖値や血圧が下がったり、太らなかったりするのでは? と思ってしまいがちです。普段、高血圧や高血糖などで薬を飲んでいる方の中にも、「薬ではなく、この健康食品をとれば良い」と考えてしまう人もいるかもしれません。

けれど、健康食品は薬のように、病気を治したり症状を和らげたりする効果は認められていません。あくまで、「健康を維持・増進」させるためのものです。何らかの病気などで薬を飲んでいる方が、薬と一緒に健康食品をとったり、薬の代わりに健康食品を利用したりすると、かえって体に悪い影響を与える可能性があります。

どうしてもその健康食品を試してみたい場合は、かかりつけの医師や薬剤師に相談をしましょう。

健康食品なら、いくら食べても大丈夫?

「脂肪がつきにくい」という油や、「血糖の吸収をおだやかに」という食べ物なら、いくら摂取してもいいのでは?と考えている方もいるかもしれませんが、これは間違いです。トクホなどに分類される健康食品だからといって、いくら食べても体に良いということはありません。成分によっては、摂りすぎはかえって体に良くない場合もあります。

健康食品は、日頃の不摂生をカバーするためのものではありません。あくまで、健康の維持・増進に役立つものなので、これだけで健康になるというものではないのです。健康食品をとることは、他の食習慣や生活習慣などの健康づくりをサポートするもの、という程度にとらえておくと良いでしょう。

天然素材を使った健康食品なら安心?

一般に販売されている健康食品の中には、「自然由来の原料を使用しています」「天然成分だから安心です」などの謳い文句で売られているものもあります。たしかに、天然・自然のものは安全で効果がありそうな気がしてしまいますよね。

しかし、天然由来のものが合成品よりも安心・安全であるとは限りません。合成品のように精製されていないので、さまざまな物質が含まれていたり、不純物や有害物質が十分に取り除かれていなかったりする可能性があります。また、天然由来のものも、アレルギーを引き起こすことがあります。

「自然」「天然」のものだから安心、と気軽に摂取せずに、きちんと成分や摂取量などを確認するようにしましょう。

健康食品よりも、まずは食事の見直しを

健康食品も、うまく活用すれば良い効果が得られるかもしれません。しかしそれは、整った生活習慣があってこそのものです。特定の効果が期待できる健康食品をとったからといって、健康に関する悩みがすぐに解決されるわけではありません。

健康食品に含まれている栄養素は、実は普段の食事に気をつければ、十分に摂取することができます。健康食品に頼る前に、まずはご自身の食事の内容を見直してみましょう。健康を維持・増進する1番の近道は、普段の食習慣を大事にすること。特定の栄養素にこだわるのではなく、全体のバランスをチェックするようにしてみてくださいね。

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