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糖尿病専門医に聞く!栄養指導のススメ

kurashino

読者の皆さんやご家族の中に、健康診断や持病の診察の際、栄養指導を勧められたことがある方はいますか?
今、40歳以上の10人に1人が糖尿病を患い、高血圧の人口は全国で一千万人以上と言われています。さらに肥満まで含めると、中高年には何らかの生活習慣病を患う方が急増している状況です。
毎日の食事に気を使っているという方もいますが、年齢を重ねると、病気のリスクや代謝などの個人差が大きくなりますし、必要な栄養バランスが若い頃と異なるため、自己判断で食事制限をしたり、サプリメントを摂取して安心感を得たりするのは危険です。とくに、ホルモンバランスの変化で病気のリスクが高まる50歳以上は要注意です。
この記事では、栄養指導を受けるための基礎知識をお伝えします。

栄養指導とは?

栄養指導とは、日頃の食事がその人に適切かどうかを管理栄養士が判断、指導していくものです。通常は、何らかの病気にかかり、栄養指導が必要な方のために行われます。実施している医療機関なら持病に関係なく誰でも受けられますが、保険適用となるのは特定の疾患に限られます。
栄養指導はすべての医療機関で行っているというわけではありません。生活習慣病関連の患者さんが多く通院する医療施設、たとえば大きな病院や、糖尿病専門のクリニックでは管理栄養士が常駐していることが多いです。
最近は、インターネットを活用し、ご自身で食事管理が可能と考える方が増えてきましたが、特に持病をお持ちの方においては、食事指導は管理栄養士がいる医療機関に相談されるべきです。

栄養指導はこんなことをします

日本には四季があり、その季節ごとに注意すべき食材があります。それを患者さんに個別指導することが管理栄養士の務めとされています。具体的には下記のようなことです。

  • 今までの食習慣、生活スタイルについてヒアリング
  • 病歴や検査結果の照合
  • データを総合判断。食生活の問題点を指摘し、適切な食事量をアドバイス
  • 継続的に通院し、改善されているか確認しながら、体のコンディションや病状などを経過観察、指導を行う

栄養指導をしてくれる管理栄養士はどこで見つける?

栄養指導が必要だと言われているのは、とくに糖尿病と慢性の腎臓疾患です。70歳を超えると、生活習慣病と腎臓疾患を合併する比率が高くなってきます。ですから、糖尿病を専門とするクリニックか病院、あるいは腎臓病を扱う病院などには、栄養指導ができる管理栄養士を置くケースがほとんどです。
その他の持病をお持ちの方が栄養指導を受けたいと思ったとき、自分が持っている疾患について専門知識を持ち、かつ栄養指導ができる体制がある医療機関であることが望ましいです。

また、かかりつけ医からの紹介によって、他の医療機関に属する管理栄養士が指導するケースもあります。栄養指導は病気の経過観察を含め、継続的、総合的に行う必要があるため、持病に対応できる医療機関との連携の取りやすさ、通いやすさやなども考慮しながら探しましょう。

栄養指導は保険適用される?

栄養指導は管理栄養士がいる医療機関であれば、誰でも受けることができますが、通常は健康保険適用外です。しかし、中には保険の適用内で受けることが可能な疾患もあるので、ご自身の持病が保険適用になるかどうか、確認してみましょう。

健康保険適応となる疾患例

  • 代謝疾患:糖尿病、痛風、脂質異常症、高度肥満症
  • 循環器疾患:高血圧症、各種心臓疾患
  • 腎臓疾患:腎炎・腎不全・ネフローゼ症候群
  • 消化器疾患:胃・十二指腸潰瘍、食道胃腸の切除後、潰瘍性大腸炎、クローン病、肝炎、肝硬変、膵炎
  • その他:鉄欠乏性貧血

不適切な食生活を続けるのは危険!

食生活が不規則になれば、せっかくの医療行為も無駄になってしまうことがよくあります。
例えば糖尿病の場合、治療の効果で血糖値が下がり、安心して食べすぎる方がいらっしゃいます。「薬を飲んでいるから大丈夫」。こういった素人の考えは厳禁です。食べすぎてしまえば血糖値は上がり、やがて肥満に繋がっていきます。
生活習慣病といわれる糖尿病、高血圧、高脂血症の三大疾患の中で、高血圧や高脂血症は、さほど食事を気にせずとも治療薬を飲むことで改善できるようになりました。しかし、薬だけでなく、食生活にも気を付けないと改善できない糖尿病に対する食事指導の重要性は、より増しています。

栄養管理は一生を通した小さな目標設定

できることなら、薬に頼らずいつまでも健康的に過ごしたいものです。そのために、日々の食生活の見直しをしましょう。過度な食事制限などでストレスをためるのではなく、少しずつ継続可能な食生活の見直しを、専門家の知恵を借りながら実践していくのがベストです。
たとえば、食事のバランスが悪く、カロリーオーバーが気になる場合は、量を減らすのではなく、調理法や食材を変えたり、足したりする方法もありますから、管理栄養士に無理のない改善方法を提案してもらえば良いのです。

今、持病で悩まれている方も、健康な方も、いつまでも食事を楽しくできるよう、ご自身の体調や病気とのバランスをみながら、毎日積み重ねられる小さな目標設定として、栄養指導を受けてみてください。

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