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40代から始めて身軽に人生を楽しむ 生前整理でも遺品整理でもない「老前整理」

kurashino

日本人の平均寿命は男女ともに年々伸びています。令和元年には男性の平均寿命は81.41年に、女性の平均寿命は87.45年になっています。(※)

平均寿命が伸びたぶん、日本人は第2の人生となる"セカンドライフ"を長く過ごせるようになりました。せっかく長く生きられる可能性が高くなったのですから、日々をより快適に暮らしていきたいものです。健康なからだを保つのはもちろんですが、快適な住環境もまた大切です。

今回は、第2の人生を充実させながら身軽に生きるための整理術、「老前整理」がテーマです。自分らしく快適に暮らしを楽しむためのヒントをぜひ見つけてくださいね。

老前整理とは

ここでは老前整理の概要について簡単にご紹介します。

老いる前にモノを整理して快適に暮らしていく

「老前整理」とは、老前整理コンサルタントとして活躍している坂岡洋子氏が提唱している片付けの考え方です。老後を快適かつ安全に暮らすために、40~50代など気力・体力・判断力のあるうちに家のなかを整理することを推奨しています。(※2)
「いま」と「老後」を暮らしやすくするためにモノを整理して、気持ちや暮らしをスッキリさせるというのが目的です。 

老前整理を始める時期は、「定年退職したとき」「子どもが独立したとき」など、人生の節目が適していますが、「思い立ったが吉日」という考え方も。モチベーションが上がったときに実行するのもおすすめします。

「生前整理」「遺品整理」との違い

老前整理と似たワードに、「生前整理」「遺品整理」があります。いずれもモノの処分などが含まれていますが、整理をする時期や行う人、目的が異なります。
それぞれの特徴をまとめました。

▼生前整理・老前整理・遺品整理との違い

老前整理

生前整理

遺品整理

整理をする時期

生きている間

老いる前

死後

整理をする人

本人

本人や家族

遺族

整理をする目的

・モノの整理

・自分自身がこれからの人生を快適に過ごす

・財産整理

・モノの整理

・遺族が財産などで揉めないようにする

・モノの処分

・故人が使用していた部屋を片づける

坂岡洋子「老前整理 捨てれば心も暮らしも軽くなる」(徳間書店,2011年)P246-248を参考に著者作表

老前整理のメリット

「老前整理」をしておくと、どのようなメリットを得られるのでしょうか?

第1のメリットは、「スッキリとした空間で快適に過ごせる」ことです。不要なモノがなくなるので、余裕のある空間でスッキリ暮らせるようになります。
床にモノが置かれていないので掃除がラクになり、クローゼットには洋服や品物が詰め込まれていないため、モノの管理もしやすくなります。衣類や食品などの在庫管理ができるので無駄買いを防げます。

第2のメリットは、「気力・体力・判断力のあるうちに整理できる」ことです。60歳を過ぎると体力や判断力が下がるため、大掛かりな整理をするのはかなり負担になってしまいます。
「気力・体力・判断力」がまだまだある40~50代のうちに大体の整理をしておけば、年を取ってからもラクに快適に、毎日を過ごせるようになります。

第3のメリットは、「残された家族に迷惑をかけない」ことです。「残した不用品の数だけ残された家族に迷惑がかかる」ことを頭に入れておきましょう。

先述したとおり、たったひとりの故人でも残された遺品の量はかなり多いものです。賃貸住宅にひとりで暮らしていた場合は、なるべく早めに荷物を完全に撤去しなければなりません。持ち家の場合でも、ずっとそのままにしておくわけにはいかないでしょう。いずれは残された家族が処分をすることになります。
また、故人の遺品を整理するということは、遺族にとってはつらい作業です。残された遺品のひとつひとつを手に取って処理をするたびに、天国に旅立った故人のことを否が応でも思い出してしまいます。特に故人が大切にしていた洋服やアクセサリーなど、身に着けていたものを残された子どもが処分することは大変つらいものです。
そのような負担をなるべく軽くするために、自分自身が元気なうちから不要なモノはなるべく処分をしておきましょう。

老前整理の進め方

ここでは、「老前整理」を効率良く行うための4つのポイントについてご紹介します。

1.「使う」か「使わない」かで判断する

ここでのポイントは、「何かに使えないだろうか」と考えることを省くことです。
昔、購入した高価な洋服でも、いまとなっては流行遅れになっていたり、サイズアウトしたりして実際に着る機会はなさそうです。とはいえ保存状態が良い場合、そのまま「燃えるゴミ」として捨ててしまうのは悲しいものがあります。
このように着られないけれど捨てるのが惜しい洋服は、リユースショップに持ち込むのも良い方法です。保存状態が良好な衣服はリユースショップで買い取ってくれます。リユースショップで売れ残った品は、古繊維業者が回収して選別した後に海外へ輸出するという仕組みになっているので、海外のどこかで、あなたが着られなくなった洋服を喜んで着てくれる人がいるかもしれません。
また、「使う」「使わない」に限らず、「思い出」のあるモノは手元に保管しておきましょう。大切な思い出に触れることにより、こころを癒すことができます。

2.サイズが大きなものを優先して処分する

高齢になると大きな家具などを処分するのは億劫になってしまいます。たとえば革が擦り切れて使えなくなった海外旅行用のスーツケース、子どもが使っていた学習机、古くなった扇風機などです。これらサイズの大きな不用品は、保管しているだけでかなりのスペースを占領しています。
ここでも、「使えるか」ではなく「使うか」をポイントにして処分を判断しましょう。

3.定期的にモノの量を確認する

一度、大量の不要品をきれいに片づけても、生活をしていくうちにモノは自然に増えてしまいます。したがって、定期的にモノの量を確認することが大切です。
モノが増えないポイントは、モノの総量を増やさないことです。ひとつ購入したらひとつ減らすというように、所有するモノの量を一定の基準に収めておきます。くれぐれも収納場所を増やそうとして、むやみに収納ケースを購入するのは避けるようにしてください。

4.自分のペースで無理なく進めていく

老前整理は一気に仕上げる必要はありません。1日15分でもよいので毎日少しずつ整理しましょう。たとえば、「今日はこの引き出しひとつ分」「明日は寝室のクローゼットの中だけ」など、自分のペースでコツコツ進めていけばよいのです。少しずつでも積み重ねていくと、やがてキレイな部分のほうが多くなっていきます。

まとめ

今回は、シニア以降の人生を快適に暮らせるようになる、「老前整理」について解説しました。

「老前整理」をしておくとモノによる圧迫感から解放され、スッキリとした空間で居心地よく過ごせるようになります。また、不要なモノを最低限に減らしておけば、万が一、自分の身に何が起こっても残された家族に過剰な負担をかけることはありません。

若くて元気なうちからさまざまなものを整理し、スッキリとした身軽な暮らしを実践していきましょう。

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