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夫婦関係を修復するための5つのポイント

kurashino

人生100年時代といわれています。いま50代、60代の夫婦にとっては、あと40年、50年と2人の時間が続いていきます。そのなかで、子どもが巣立ったり、退職を迎えたりと、家族としての生活が変わる転機が訪れます。この転機に、2人の人生を楽しめる夫婦もいれば、反対に関係がこじれてしまう夫婦もいます。
夫婦2人の生活をどのように変えていけば、残りの人生をともに築いていけるのでしょう。
夫婦カウンセラーの安東美紀子さんにお話を伺いました。

安東さんはこれまで、夫の秀海さんと夫婦カウンセラーとして、多くのご夫婦の悩み相談を受けてきました。そのなかで50代以上に多い相談テーマが、①夫婦の関係修復、②離婚、③コミュニケーションの3つです。

夫婦関係がこじれる理由は、モラハラ、浮気、価値観の違いなどさまざまです。
ご相談に来られる方は、20年、30年というこれまでの夫婦生活の中でいろいろな壁を乗り越えていらっしゃいました。だからこそ、今回も乗り越えたいという前向きな思いのある方たちです。ギクシャクしてしまった関係を立て直して、2人で未来を考えたいと思う方には、関係修復のポイントとして次の5つを心掛けることを提案します。

1.伝わるコミュニケーションを心掛ける

50代以上は気持ちを言葉にすることを苦手とする人が多い世代で、特に男性にその傾向が見られます。
態度で示しているから伝わっていると思いがちですが、きちんと言葉にしないと伝わらないことはたくさんあります。「ありがとう」「これ、おいしいね」など、普段から伝えることは、とても大切なことです。夫婦関係を改善したいという気持ちも、それが"ケンカをしない生活"なのか、"結婚前の恋人同士のような関係に戻りたい"のか、お互いに求めていることが違っています。言葉にしないと、お互いの思いや考えにズレが生じてしまいます。
まずは言葉にすることから。ですが、相手に伝わらなければ自己満足になってしまいますから、相手に届く言葉や話し方ももちろん大事です。
また、話すときは感情的に声を荒立てたり、ため息をついたりなど、ネガティブな印象を与えてしまう態度には十分注意をしてください。

2.自分で自分の機嫌をとる

普段の生活であなたは相手にどのような態度で接していますか? 態度には自分の心の状態が映し出されます。
機嫌がよくないとき、無意識のうちに態度や言葉で、相手を傷つけてしまったり、居心地のよくない空間を作り出したりしてしまいます。機嫌を損ねるきっかけが妻・夫にあったとしても、そうでなかったとしても、自分で自分の機嫌をコントロールすることが大切です。
自分で自分の機嫌を取るというとピンとこないかもしれませんが、たとえば、ケンカのあとでちょっとイライラしている時でも電話が鳴ったなら、気持ちを切り替えて出ることができたりしますよね? 感情はとても大切なものですが、お互いが居心地よくあるために、自分の機嫌が悪いということを認識して機嫌をよくする工夫をすることも大切です。
自分の本当に好きなもの、大切なものを見つめて、自分のご機嫌リストを持つのもひとつの方法ですが、まずは、「散歩をする」「ヨガなどの軽い運動をする」「得意料理をつくる」といったことから始めることもお勧めします。このほか、「手を洗う」「入浴する」なども、気分転換には効果的です。

3.適度な距離感を心掛ける

相手に、ああしてほしい、こうしてほしいと、過度に期待をしていませんか? 過度な期待は満たされず、苦しくなることも。"こうしてくれて当たり前"と感じている部分があるならば、相手との心理的な距離が近くなりすぎているかもしれません。
「飲みに行かずに家にいてほしいのに、今日も帰りが遅かった」「一緒の趣味を見つけたいのに、相手にその気がない」といったことも、相手の選択を尊重しながら自分の希望も伝えられると、お互いに心穏やかな時間を増やすことができます。

夫婦という関係は、知らず知らずに距離が近くなりすぎ、相手を自分の一部のように感じたり、扱ったりしてしまう場面が出てきます。意識的に健全な距離をとることも大切です。
そのためにも、相手に左右されるのではなく自分が自分のやりたいことを楽しむようにする。長年やってみたかった楽器を始める、自分がお料理教室を主催するなど、"自分にとって"熱中できることを見つけられた方は、この距離の見直しがとてもスムーズに進みます。

4.相手の価値観を尊重する

何十年と一緒にいても、はたと感じてしまう価値観の違い。これが積み重なっていくことで夫婦間の微妙なズレがだんだんと大きくなってしまうことも。
価値観が違うのは当たり前のことです。自分の価値観を相手に合わせたり、自分の価値観を相手に合わせてもらったりすることを当然と考えるのではなく、価値観が違う2人が一緒にいるということを理解して、互いに尊重し合うことが大切です。
家族と過ごす時間をどれくらい大切と感じているか、仕事と家族のとらえ方など、お互いが何を大切にしているのかを言葉のコミュニケーションを通して知りましょう。それを受け入れることが相手を大切にすることであり、夫婦の関係修復には欠かせません。

5.未完了の感情があることを認識しておく

"未完了の感情"とは、心の奥に潜む、過去のわだかまりのこと。ケンカをしたときに過去のことを持ち出し、「あの時も〇〇してくれなかった」「この時も〇〇〇って言われた」と相手を責めてしまうような部分です。
女性は特にその傾向が強いと言われています。たとえば「育児は私に任せきりだった」というように、"あの時もああだった"という我慢や不満の蓄積が、ふとしたときに爆発してしまうことがあります。過去20年、30年の間に起きたことが、いま起きていることに紐づいて思い出され、怒りの感情が2倍、3倍になってしまうのです。
一方、男性は、楽しかったことを上書き保存する傾向にあります。だから、女性に過去のことを持ち出されると「蒸し返してなにがしたいわけ?」となってしまいます。

まずは男女の脳の違いを知っておくことで、無駄な衝突を避けることができます。そして長年連れ添った夫婦には、未完了な感情はあるものです。「ある」という前提で今をみてみましょう。そうすれば怒りをどんどん大きくしたり、相手にぶつけ続けてしまったりすることは抑えられ、相手の気持ちに寄り添えることが出てくるのではないでしょうか。ちょっと面倒に感じる過去との対峙も、これからのありたい夫婦の姿が見えていればこそ、越えていけますね。

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