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高齢者の事故が大半、死亡事例も 電動アシスト自転車の運転で気をつけること

kurashino

高齢になって「筋力や体力が低下した」「免許を返納した」などの理由から電動アシスト自転車を選ぶ人が増えています。
便利なため普及も進んでいますが、これにともない事故件数も増えてきました。なかには高齢者の死亡事例もあります。また、自転車事故は自分が加害者になってしまうケースもあるため、用心して乗ることもまた大切です。

今回は、電動アシスト自転車の特性を知り、どのような点に注意すべきか見ていきましょう。

増加する電動アシスト自転車での事故

補助動力としてモーターを備えている電動アシスト自転車は、上り坂でも楽に走行できるのが最大のメリットです。子どもの送り迎えや買い物だけでなく、免許を返納した高齢者の移動手段としても利用は広がっており、2018年の販売台数は自転車全体の4割以上を占めるまでになっています(※1)。

一方、KDDIの調査によると、電動アシスト自転車で「危ない経験を」した人は4割近くにのぼっており、その内訳は下記のようになっています。

KDDI株式会社、au損害保険株式会社「自転車の安全・安心利用に関する意識調査結果(2018年3月20日)」の情報を基に作図

また、独立行政法人製品評価技術基盤機構によると、2015年から2020年のあいだの自転車事故を車種別に見た場合、「電動アシスト自転車」が占める割合がもっとも多くなっています。

独立行政法人製品評価技術基盤機構「3年連続、年10 件以上発生~点検と情報確認で自転車の製品事故を防ぎましょう~(2021年3月25日)」の情報を基に作図

電動アシスト自転車は車体が20~30kgと通常の自転車より重く、かつ軽い力ですぐにスピードが出ることが事故の要因につながっていると考えられます。

死亡事故の大半は高齢者

さて、高齢者が電動アシスト自転車を選ぶ理由で最も多いのは、運転免許の有無にかかわらず「体力の低下」「足腰の衰え」です。

自動車安全運転センター「高齢者による電動アシスト自転車事故の要因解明と安全教育手法に関する研究 平成31年3月31日|P14. 図 4-3 免許保有状況別の電動アシスト⾃転⾞を利⽤するきっかけ)」を基に作図

電動アシスト自転車は自分の体力を補う便利なのりものとして利用する人が多い一方、その体力の低下や足腰の衰えが事故を引き起こしています。

公益財団法人交通事故総合分析センターによると、2019年に起きた転倒事故の5割超は「65歳以上」が起こしており、2015年から2019年にかけての期間では、電動アシスト自転車が関係する死亡事故のうち84%は「65歳以上」の運転によるものであることが分かっています(※2)。

電動アシスト自転車は便利な一方、重くてふらついたり、転倒しそうになった場合に車体のバランスを元に戻しにくくなったりと、その扱いはなかなか大変です。筋力が弱まっている高齢者の場合はなおさらでしょう。また、軽い力をかけただけで思った以上のスピードが出てしまうことも事故を起こす要因になっています。制御が難しくなってしまうと、衝突事故の原因になります。

基準を満たさない商品も

また、気をつけたいのが、安全基準を満たさない電動アシスト自転車が販売されていたことです。警察庁は平成29年、道路交通法の基準に適合しない電動アシスト自転車が販売されていたとして注意喚起をしています(※3)。アシスト比率が基準より高い、つまり同じ力をかけたとき、基準以上のスピードが出てしまうという製品であり、危険性が高いといえます。
そこで、自転車購入の際に確認したいのは下記の「BAAマーク」です。

一般社団法人自転車協会「その差がBAA」より転載

自転車協会が自主的に定めた安全基準の型式検査に適合したものにだけつけられるマークです。安全な製品を選ぶ際の基準にするとよいでしょう。

まずは講習や練習で慣れることから

快適で行動範囲を広げてくれる電動アシスト自転車ですが、慣れないまま乗ってしまうと、事故を起こす危険性は高まります。どのくらいの力をかければどのくらいのスピードが出るのかを知っておく必要があります。

筆者は大学生のころ、ロードレーサータイプの自転車で車道を走っていたことがあります。その時に教えられたのは、「自分で止まれない(急停止できない)速度で走ってはいけない」ということ。これは、あらゆる自転車にいえることだと思います。
また、狭い歩道の走行にはより注意が必要です。歩行者のあいだをギリギリですり抜けていくような乗り方は絶対にやめましょう。自転車は加害者にもなってしまいます。車体の重たい電動アシスト自転車での衝突は、ケガの危険性を高めます。そのほか傾斜した場所は走らないことも重要です。転倒して用水路に落ち、死亡したとみられる事故事例もあります。

乗り方によっては被害者にも加害者にもなってしまう自転車。乗ることに少しでも不安を感じる方は、各メーカーが実施している講習を利用するのも、安全運転につながるひとつの方法になるでしょう。なお、自転車を利用するにあたり、自転車保険への加入が義務化されている都道府県は多くあります。年1,000円程度で加入できるケースも多いので、義務化に限らず、入っておきたいものです。自分と他人の命を守るため、常に安全運転に努めたいものです。

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