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夫の家事の割合が夫婦仲に直結 円満な老後のための積極的な家事分担

kurashino

共働きが珍しくなくなり、夫婦そろって家事を担うのは「当たり前」という時代になりました。それでも40代以上では、家事はいまだ妻の仕事となっていることが多いようです。
家事の負担から逃れられない妻はどう考えているのでしょうか。また、妻の想いに気づかない夫との夫婦仲に変化はないのでしょうか。

この記事では、夫婦の家事分担に関する調査結果をもとに、夫婦仲良く過ごせる秘訣を考察します。

妻の家事時間は、1日平均263分。夫は?

夫婦の家事分担の割合を聞いた国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、妻が家事にかける平均時間は、平日は263分、休日は284分であるのに対し、夫は平日37分、休日66分に留まっています。

国立社会保障・人口問題研究所「2018年社会保障・人口問題基本調査 第6回全国家庭動向調査(2019 年 9 月 13 日公表)|図 4-1 調査回別にみた妻の 1 日の平均家事時間」を基に作図

ここからは、妻と夫の家事分担に大きな差があることが浮かび上がり、「家事は妻の仕事」という家庭が多いことがうかがえます。

妻の年齢別で家事分担時間を見ると、平日・休日とも「40~49歳」「50~59歳」の年齢層では、妻の3割が6時間以上費やしていることがわかります。
また、妻の年齢別に見た「家事分担割合の分布」から、妻の負担が8割以上となる世帯は「29歳以下」でこそ60%程度ですが、「30~39歳」よりも上の年代では、70%以上とまだまだ妻の負担の大きいことがうかがえます。

▼妻の年齢別にみた妻の家事分担割合の分布(2018年調査)

国立社会保障・人口問題研究所「2018年社会保障・人口問題基本調査 第6回全国家庭動向調査(2019 年 9 月 13 日公表)|4-7 妻の年齢別にみた妻の家事分担割合の分布(第 6 回調査)」から転載

夫による家事トップ3は「ゴミ出し」「日常の買い物」「食後の片付け」

先ほどご紹介した調査によると、2008年以降、週に1~2回以上、家事をする夫の割合は上昇傾向にあるそうです。
夫が担う割合が高い家事として「ゴミ出し」「日常の買い物」「食後の片付け」が挙がっています。その一方、「部屋の掃除」や「炊事」へのかかわりはまだ妻が中心になっているようです。

なお、妻の年齢が「29歳以下」の世帯では夫の家事参加度が高く、妻の年齢が「40~49歳」「50~59歳」では低いという結果も出ています。たとえば、夫の家事分担トップの「ゴミ出し」は妻の年齢層別の差が最大となり、「29歳以下」では7割の夫が担うものの、「50~59歳」では4割程度と、大きな差が見られます。

▼妻の年齢別、家事の種類別にみた週 1~2 回以上家事を遂行した夫の割合(2018年調査)

国立社会保障・人口問題研究所「2018年社会保障・人口問題基本調査 第6回全国家庭動向調査(2019 年 9 月 13 日公表)|図 4-12 妻の年齢別、家事の種類別にみた週 1~2 回以上家事を遂行した夫の割合(第 6 回調査)」から転載

夫婦円満の秘訣は夫が「妻の大変さ」を知ること

40~60代の夫婦では妻が多くの家事を負担しているのに対し、夫の手助けがあまり得られていない状況が見えてきました。妻としてはどのような心境なのでしょうか。

現在、コロナ禍で在宅勤務や外出自粛が続いていますが、特に30~49歳の女性は「家事への疲労度がアップしている」という興味深い調査結果も出ています。

パナソニック株式会社の調査によると、2019年8月時点では、家事よりも「仕事で疲れている」と答える女性が多かったものの、コロナ禍の2020年7月時点では、仕事よりも「家事で疲れている」という回答が上回る結果が出ています。

パナソニック株式会社「家事に関するライフスタイル調査 第4弾」の情報を基に作図

なお、ハルメク生きかた上手研究所の「夫婦関係と生活に関する意識調査」でも、60~79歳の夫婦において、家事分担に対する不満を抱える女性が、男性の8倍以上(女性26.0%に対し、男性3.0%)いることが分かっており、意識の違いが明らかになっています。

特に不仲の夫婦では妻の不満度は高まりが強く、この結果からは「家事を手伝わないから不仲」「不仲だから夫の分まで家事をすることが不満」という負のスパイラルが渦巻いているのではないか、という仮説も立てられそうです。

株式会社ハルメク「シニア男女に聞いた「夫婦関係と生活に関する意識調査」から転載

こうした不満を抱える女性の声として、本調査からは下記のような声が挙がっています。

「自宅にいる時間が増えたのに、家庭のことは何もしないで寝てばかり。口癖のように暇と言っている(60歳 鳥取県)」

「夫がコロナで仕事をやめたので毎日朝昼晩ご飯を作るようになった。食事の支度・片付け・献立決めにもう、ぐったり。自分の時間がなく疲れ切ってしまった(68歳 東京都)」

「たまには飯作れ(67歳 愛知県)」

上記の結果をもとに、調査元である『ハルメク生きかた上手研究所』梅津順江所長は、下記のようにコメントされています。

「仲良し夫婦はお互いに思い合って感謝の気持ちを言葉で相手に伝えている一方、不仲夫婦はそういった行動が見受けられませんでした。『感謝の気持ち』が仲良し・不仲を分けていました。」

妻が喜ぶ! 夫による「見えない家事」負担のススメ

梅津所長いわく、「『感謝の気持ち』が夫婦仲を分けている」とのことですが、妻の本音は気持ち以上に、「家事の負担をできるだけ減らしたい」=「家事を分担したい」ではないでしょうか。

なお、家事のなかには「家事」としてあまり認識されていない「見えない家事」というものがあります。一例をあげると、「食材や日用品の在庫の把握」「食事の献立を考える」「ごみを分類し、まとめる」「家族の予定を調整する」「購入する電化製品の選定」など、どこの家庭でもやっている内容です。

「見えない家事」は、夫が見落としがちなため妻が担っている割合が高く、なかでも「食品や日用品の在庫の把握」と「食事の献立を考える」は約9割の妻が担当しています。

▼4-15 夫婦における「見えない家事」の遂行(2018年)

国立社会保障・人口問題研究所「2018年社会保障・人口問題基本調査 第6回全国家庭動向調査(2019 年 9 月 13 日公表)|4-15 夫婦における「見えない家事」の遂行(第 6 回調査)」から転載

妻は日常的に家事にかかわっているため、「見えない家事」への心配りも自然にできるものですが、夫は「ゴミ出し」や「食後の片づけ」といった「見える仕事」に目がいきがちです。

夫婦で顔を合わせる時間が増えたこの機会に「見えない家事」について話し合い、夫婦でどう分担できるのか、話し合ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

妻と夫、ともに得意なことを生かし、不得意なことを補い認め合うことで、家事への疲労・ストレスは減っていくことでしょう。
夫婦円満で仲良く過ごすために「がんばり過ぎない家事」に変えてみませんか。

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