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夫は家事ができない! 老後の生活の不安を解消する方法

kurashino

子育てに積極的な男性が「イクメン」と称されてすでに久しいですが、男性の家事参加の割合は、まだ低いようです。

家事や育児に費やされる「家事関連時間」を男女別に見た2016年の調査(※1)によると、男性が1日にかける時間の平均44分に対し、女性は平均3時間28分。20年前の調査と比べ、男女差は26分縮小したものの、依然として大きな開きがあります。65才以上の男性に限ってみても、仕事等に充てる時間が、全体調査より4時間少ないにも関わらず、家事関連時間は1時間5分に留まっており、仕事のみが男性の家事参加の弊害理由ではないこともうかがえます。

このように男性が家事に消極的な現状に対し、ストレスを感じる女性もいれば、「病気等で突然、自分が家事を担えなくなったら夫が困ってしまう」という老後への不安を覚える妻もいます。

家事の負担割合には、なぜ男女間でこれほどの差があるのでしょうか。その原因と各家庭でできる対処法を考えてみましょう。

男性の家事に対する意識は低い

内閣府が行った「男女共同参画社会に関する最新の世論調査」(令和元年)では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方には、ほぼ6割が反対しており、2016年の調査から5.5ポイント増加しました。しかし、裏を返せば3~4人にひとりはいまだ肯定的です。

男女別の回答結果を見ると、女性も3割以上が賛成と答えており、この状況を好ましく思っている女性もいることがわかります。

賛成の理由としては、「子どもの成長等にとって良いから」が最も高くなっているほか、「日本の伝統的な家族の在り方だと思うから」も20%近くを占めています(※2)。

内閣府「令和元年度 男女共同参画社会に関する世論調査」図13を基に作図

同じ世論調査で「男性が家事、子育て、介護、地域活動に積極的に参加するために必要なこと」を聞いた結果、「夫婦や家族間でのコミュニケーションをよくはかること」が1位、次いで「職場における上司や周囲の理解を深めること」「男性自身の抵抗感をなくすこと」がそれぞれ50%超で続き、上位を占めました。なお、「啓発や情報提供、相談窓口の設置、技能研修を受けること」は、25%程度に留まっていることから、男性の家事参加にはスキル不足というよりも、職場や男性自身の意識的な問題が大きいことが見えてきます。

内閣府「令和元年度 男女共同参画社会に関する世論調査」図16を基に作図

女性の意識変革も重要

求められるのは男性の意識変革だけではありません。もしかしたら、「女性が家事を手放さそうとしない」ということも考えられないでしょうか。家事をしないことに対して罪悪感を覚える妻もいれば、夫にやってもらった家事のやり方が気に入らず、頼まなくなってしまったというような、夫との家事分担を望まないケースも見られます。

夫の行う家事に対して効率が悪いと感じた妻は、どのような言動をとるのが効果的でしょうか。特に避けたいのは夫の意欲喪失です。つまり、「自分でやるほうが早い」「結局やり直して二度手間になる」等、夫の家事を否定するのは禁物。「せっかく手伝ったのに、文句を言われたらやる気がなくなった」という光景は容易に想像がつきますね。余計なことは言わず任せきりにすることで、夫もある程度評価されていると感じ、徐々に改善が期待できます。

妻は「ダメ出し」「口出し」「手出し」のいわゆる、3出しを控え、どんな結果でも、まずは行動に対して「ありがとう」と感謝の言葉をかけることが大切です。これは、夫にも同じことが言えるでしょう。普段、何気なく行われている家事を当たり前と思わず、感謝の気持ちを伝えることを心がけたいものです。

「名もなき家事」から始めてみる

夫が家事をすることに対し、夫婦の意識が前向きに変化したら、後は行動に移すのみ。「家事」という言葉でひとまとめにすると、実際に何からどう始めていいのか戸惑ってしまうかもしれません。まずは家事を項目別に分け、たとえ小さなことでも、できることから始めて達成感を少しずつ積み上げてみましょう。家事は掃除・洗濯・炊事だけではありません。日々の生活には下記のような、いわゆる「名もなき家事」がたくさんあるのです。

「名もなき家事」の一例

  • トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ハンドソープの補充
  • 手拭きタオルの交換
  • 各部屋のごみ箱のごみを集めて分別、新しいごみ袋をセットする
  • 家具の上部や家電まわりのホコリを取る
  • 買ってきたものをしまい、買い物袋を片付ける

これらはほんの一例ですが、特別なスキルを必要とせず決して難しくはありません。むしろ、「気づく」ことがポイントになるでしょう。

この気づきが苦手な夫に対しては、妻から「タオル交換しておいて」等と頼んでみる、逆に夫は普段から「何かやることある?」と聞くことを心がける。それだけでも、少しずつ前進できるのではないでしょうか。

先の世論調査で、男性が家事、子育て、介護、地域活動に積極的に参加するために必要なことの1位が、「夫婦や家族間でのコミュニケーション」であったように、こういった形で自然に生まれる会話も重要な要素となりえます。

なお、内閣府男女共同参画局のウェブサイトでは、「夫婦が本音で話せる魔法のシート『○○家作戦会議』」と名付けられたシートが公開されています。

ここには、家事項目の書き出しや現在の分担度合いを表せるシートも用意されています。子育て世代を想定したつくりになってはいますが、ミドル世代も大いに活用できるでしょう。

こちらをもとに、夫婦で「家のことをシェアする」ための話し合いの場を設けてみるのも良いかもしれません。

内閣府男女共同参画局「夫婦が本音で話せる魔法のシート『○○家作戦会議』PART.3

※内閣府男女共同参画局「夫婦が本音で話せる魔法のシート『○○家作戦会議』PART.3」のキャプチャ画像

一緒に楽しく家事でコミュニケーション

定年退職後は、夫婦ともに家で過ごす時間も増えるでしょう。「家事=妻」の概念ではなく、「夫に家事を頼む」「妻の家事を手伝う」という意識で、一緒に買い物に出かけたり、料理を作ったりを楽しみながら取り組む「家事のシェア」が理想的ではないでしょうか。これらによって家事を行うことが、老後の心配ごとから生きがいへと変わる可能性もあります。

結婚から年月が経つにつれて会話がなくなったという夫婦も多くいるなかで、家事の共有は夫婦間のコミュニケーションにつながるという意味においても有意義でしょう。

夫婦で家事を一緒に楽しみつつ、必要に応じて助け合えるような、そんな老後を描きたいものです。

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