50代、60代の方のなかには、"頬のあたりの毛穴"が目立って困っている、という人もいるのではないでしょうか。ファンデーションで隠そうとしても、なかなか難しく、対策しにくいのが特徴です。
年齢とともに目立つ毛穴は「たるみ毛穴」と呼ばれ、若年層の毛穴悩みとは別の原因があります。原因に合わせた正しい対策が大切です。
そこで今回は「50代以降のたるみ毛穴」に徹底フォーカス。メカニズムを解明したうえで、正しいケア方法をご紹介します。
開いて目立つ50代・60代特有の「たるみ毛穴」とは?
たるみ毛穴に適切なケアを施すために、まずはその実体から理解していきましょう。
若年層と大人の毛穴悩みの違い
「毛穴をケアする化粧品」を探せば、たくさんの種類が見つかります。しかし、"若年層の毛穴"と"大人の毛穴"には、違いがあることをご存じでしょうか。
▼ 毛穴「若年層」と「大人」の違い
|
若年層の毛穴悩み |
大人の毛穴悩み |
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原因 |
皮脂分泌の過多 |
肌のたるみ |
多い部位 |
鼻 |
頬 |
特徴 |
毛穴が黒ずむ、角栓が詰まる |
毛穴の形が縦長(しずく状) |
10代・20代の「毛穴が目立つ」悩みは、"皮脂分泌の過多"に原因があります。過剰な皮脂によって、毛穴が詰まって黒ずみとなったり、角栓によって毛穴が大きく開いたりします。
一方、50代・60代の毛穴の原因は"肌のたるみ"です。加齢とともに、肌がたるんでくると、毛穴が開くのです。図で見てみましょう。
頬に多く見られる大人のたるみ毛穴は、たるみによって肌が下に引っ張られ、毛穴が縦長に伸びて開くのが特徴です。若年層の毛穴目立ちとは、メカニズムが異なることがわかります。
たるみ毛穴の見分け方
「私の毛穴目立ちは、たるみ毛穴なの?」と疑問に思った方には、簡単に確かめられる方法があります。
▼ たるみ毛穴を判定する方法
- 手鏡を用意します。
- まず顔を"正面"に向けた状態で手鏡を見て、毛穴の状態を確認します。
- 次に顔を"天井"に向けた状態で手鏡を見て、毛穴の状態を確認します。
2.と3.を比較して、顔を天井に向けた状態のほうが、毛穴が目立たないなら、それは「たるみ毛穴」です。
「天井に向けた状態」では、肌が重力で下に引っ張られなくなっています。一時的にたるみがなくなりますから、たるみ毛穴であれば目立たなくなるのです。
このほかに、ポニーテールやヘアバンドなどで頭皮を上に引っ張り上げたときにも目立たなくなるのが、たるみ毛穴の特徴です。
肌がたるむ原因は?
50代・60代の毛穴目立ちの原因は「たるみ」であることがわかりました。では、どうして肌はたるむのでしょうか。その原因は、大きく3つ挙げられます。
▼ 肌のたるみの原因
- 肌の乾燥
- ハリ不足
- 表情筋の衰え
まず「肌の乾燥」です。加齢により、肌の乾燥が進むと、肌は固くなって柔軟性を失います。すると、肌表面の弾力感が失われ、たるみが目立ちやすい状態に。
次に「ハリ不足」。加齢にともなって、肌の内側では、ハリのもととなるコラーゲンやエラスチンが減少します。これが直接的にたるみを進行させます。
最後に「表情筋の衰え」も見逃せません。たとえば、お尻の筋肉を鍛えないとヒップラインが崩れるのと同じように、表情筋が衰えると顔がたるみやすくなります。
大人の「たるみ毛穴」をケアするためには、これらの根本的な原因にアプローチしていくことが必要です。
たるみ毛穴をキュッとケアする6つの方法
たるみ毛穴のメカニズムが理解できたら、いよいよ、どうケアしたら良いのか見ていきましょう。さっそく今日から、取り入れてみてください。
(1)洗浄力の強すぎる洗顔料は使わない
まず気をつけたいのが、洗浄力の強すぎる洗顔料は使わないこと。
「毛穴の目立ち=しっかり洗顔して毛穴の汚れを取らなければならない」と勘違いして、洗顔に力を入れている方もいるようです。しかし、先述のとおり、大人の毛穴の原因は"汚れ"ではありません。むしろ"乾燥・うるおい不足"が原因。だから洗顔のし過ぎは逆効果です。
市販の「毛穴汚れに!」などと記載された洗顔料は、避けましょう。脱脂力(皮脂を除去する力)が強すぎて、大人の肌には負担となるからです。それよりも「しっとりタイプ」「うるおいを守る」などの記載がある、保湿力の高い洗顔料を選びましょう。
また、洗顔料は朝晩、必ずしも使用する必要はありません。肌の状態にもよりますが、ぬるま湯で洗顔するだけで十分な肌質の方もいます。
肌の調子を見ながら、自分に合う洗顔方法を見つけてみてください。
(2)徹底的に保湿する
徹底的な保湿は、とても重要です。すでに"たるみ"が出ている肌であっても、肌をうるおいでふっくらさせるだけで、毛穴の目立ち度は減ります。ぜひ保湿に力を入れてください。具体的には、洗顔したら、できる限りすぐに保湿を行います。肌が乾く隙を与えないよう、急ぎましょう。保湿に使うスキンケア化粧品は、「高保湿」「しっとり」などの表記があるものがおすすめです。
洗顔後、すぐにお手入れする時間が取れないなら、1プッシュでパパッと塗れる"つなぎ"のスキンケア化粧品を準備します。安価で手軽なものでかまいません。洗顔後の肌に、最低限のうるおいが与えられればOKです。その後、落ち着いてから、いつものお手入れを改めて行ってください。
(3)ハリ感を集中的にケアする
基本の保湿をしっかりしたうえで、集中ケアとして取り入れたいのが「ハリ感」のケアです。
ハリ感をケアするスキンケア化粧品は、一般に「リフトケア化粧品」「リフトアップ化粧品」などと呼ばれます。商品名や説明文に「リフト」と入っている美容液やクリームを中心に選んでみると良いでしょう。
なお、「ハリ感に効く成分はどれ?」とご質問を受けることがあります。肌質や化粧品ブランドとの相性があるため一概にはいえませんが、一例として挙げると以下の通りです。
- レチノール(ビタミンA)
- ビタミンC
- EGF
- アーチチョーク葉エキス
- コラーゲン
- エラスチン
気になる化粧品があれば、サンプル(試供品)やミニサイズのお試しセットを利用して、肌に合うか試してみることをおすすめします。
(4)表情筋を鍛える
肌が重力に負けて下がらないよう、表情筋を鍛えましょう。たるみ毛穴が気になる肌は、頬のたるみを中心にケアするのが効果的です。
▼ 頬のたるみにアプローチするトレーニング
- 目を大きく見開き、口を大きく縦に「お」の形に開け、5秒キープします。
- そのまま頬を上に引き上げるように意識しながら「あ」の形に移行し、10秒キープします。
- 1.と2.を3回繰り返します。
ポイントは、「あ」の形のときに「頬を引き上げる」よう、しっかり意識すること。これを毎日続けると、だんだんと表情筋が鍛えられます。
(5)肌の素となるタンパク質をとる
「お肌にはタンパク質が重要」と聞いたことがあるかもしれません。実は、コラーゲンもエラスチンもタンパク質の一種。さらに、表情筋を構成する筋肉もタンパク質からできています。コラーゲン・エラスチン・表情筋の3つを一気にケアするために、積極的にタンパク質をとりましょう。
▼ タンパク質を多く含む食品
- 肉類(牛肉、豚肉、鶏肉、ラム肉など)
- 魚介類(まぐろ、かつお、さば、さけなど)
- 大豆(豆腐、納豆など)
- 卵
1回に食べる量の目安は「手のひら1枚分」。タンパク質は1回に吸収できる量に限りがありますから、1度にたくさん食べるより、毎食小まめに食べることが大切です。
(6)紫外線対策をしっかりする
「紫外線対策」はしっかり毎日行いましょう。紫外線を浴びると、肌の老化が進むことがわかっています。紫外線対策をすることは、"たるみの進行を遅らせる"ことにつながるのです。
紫外線量が多くなる春から夏にかけては、特に注意したいもの。「一夏越えるたびに、肌が年を取ってしまう」と感じている人は、紫外線対策が不十分かもしれません。小まめに日焼け止めを塗ること、日傘や帽子などのグッズを上手に利用することで、紫外線から肌を守ることができます。
ツルツルほっぺは幸せ印
いつも若々しく、元気で明るい人のほっぺは、ツルツルに輝いているような気がしませんか。ツヤッと光る頬は「なんだか素敵......」と見とれてしまいます。
たるみ毛穴のケアは、即効性のあるものではありません。しかし、数カ月以上継続していけば、実感しやすいタイプのものです。
ツルツルほっぺは、周りの人にまで元気な気持ちを分けてくれる幸せ印。ぜひ、じっくりとツルツルほっぺを作っていきましょう。